• テキストサイズ

IN DREAM2

第10章 生命の源



「水族にとして戻れないことがわかれば、魔族に成り下がったということか」

「ヒヒ、てめぇと同じだよ、闇堕ちクライヴ・ベネディクト!
俺たちは力を求め、更なる進化へ進む。
あの闇の御方は俺たちに、新たなる選択しをくれたんだよ!」
「・・・」
「てめぇは邪魔者だからな
俺がこの手でつぶしてやる」
「フンッ
威勢のいい魔族だな
魔族風情が俺を倒せるか試してもればいい」

瞳を赤く光らせ、闇の暴風を巻き起こすクライヴ
魔族は巨腕を振り下ろし、物理的な攻撃を繰り広げる
闇の風で浮かび上がりながら華麗に避け、大鎌で右の腕を軽々と切り落とす
「っ!
なめんじゃねーぞ!」
よろめく魔族は裂けた大口を開き、猛毒性の体液を噴射し、クライヴを包み込もうとする
「闇よ、除き去れ」
両手に闇の竜巻を発生させ、放たれる体液を巻き上げていく
風にのって巻き上げられた体液は風の目になる中心部にある
黒き炎によって蒸発させられ、わずかな水滴すらもクライヴに触れることなく消えていった

「もう終わりか?」

余裕の笑みで見下すように話すクライヴ
魔族は怒りを感じながら左手から闇の瘴気を放ち
海の生物たちを闇で汚染し、己の眷属と化していく
水中にいた魚は魔族の闇により眷属となり、指一本の命令でも忠実に動く

色鮮やかな魚の半分は黒く染まり、闇の呪詛が植え付けられている
無数のになる群れを使役し、クライヴにめがけて弓のように飛ばしてくる魔族
クライヴは防御壁を作り、敵の攻撃を防ごうとした時
先に巨大な波の壁が出現し、眷属の魚たちを水中に閉じ込めていく


「水よ、生命をおぼやかす不浄を除き去り、清く洗い流したまえ」

その声はクライヴにとって聞きなれたものであり
波の壁の抜こう側で立っている姿は明確に捉えなくとも何者か理解した

「クライヴ、大丈夫か?!」

勢いよく風を纏わせ、隣に浮かびながら駆け寄るのは
人の姿に戻り、水族から帰還したヒルトだった
「俺は見ての通りだ
ライセイとイリヤ、ジェイクは飛行船で待機させている
・・イリヤは敵に捕まり、誘拐されたがな」
「?!
敵って魔族?」
「あぁ、魔族という正体を現したフィオレだ」
「フィオレさんが魔族・・・・」
「ユリエフを守れず、一足遅かったことは謝る
だが、どこに連れ去られたか、見当はつく」
「本当か!」
「だが、まずはこの魔族を倒してからだな」

/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp