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IN DREAM2

第10章 生命の源




銃弾を無理矢理引き抜かれたことでライセイは再び激痛が走り、その場でしゃがみこむ
だが傷口から流れるはずの血は一滴もなく、一時の激痛で治まった

「ジェイク、立てるか」
「っ・・あ、あぁ。」
「ライセイの傷口の殺菌を任せる
鉛の弾で撃たれた傷口を止血するだけでは、雑菌が侵入し、傷が悪化するだろう
残っていた弾と闇の呪詛は俺が引きぬいたから、そこは問題ないだろう」

「あの弾、ただの弾丸じゃなかったのか?」
「・・・そうだな
俺の命令に反応し、引きずり出すことができた時点で、闇の魔弾であり、俺はこれが何か記憶にある。
この魔弾は対象者の傷口から闇を植え付け、内側から蝕んでいくもの。
かつて、暗黒戦争で闇族が水族を魔族化させるために使用した武器だ」



「よーくしってんじゃねぇか、闇堕ちよぉ」

「!」

「そいつはぁ、お前の言う通り、かつて俺たちが受けた呪いの銃だぁ・・ヒヒヒヒ
まぁ、インドリームに撃ったところで、効果はなかったみたいだなぁ、おい」

クライヴに切られた左半身から闇を吹き出しながら、よろめく体を奮い起こし、にやついた表情で話す魔族

「残念だったな、こいつら、インドリーム殺すにはもっと高度な魔武器が必要だ
だが、お前にはそれはできない」

「クヒヒヒ
おもしれぇ、だったらこれでどうだっ!!」
「!?」


魔族は背中から触手を生やし、船底まで伸ばす
その瞬間、船は傾き、魔族以外の全員が海へ放り投げだされていく

「闇よ、風と化し、全てを守れ!」

クライヴは大鎌を振り払い、闇を周囲の空気へ浸食させていく
浸食された空気は荒ぶる風となり、ライセイ、イリヤ、ジェイクを包み、飛行船へ飛ばしていく
「おい、クライヴ!?」

「お前達は飛行船で待っていろ!
この魔族は、俺が相手する」

闇の風により、飛行船へ戻っていく仲間を見届け
クライヴは大鎌を構え、宙に体を浮かせ、海から姿を現す魔族の真の姿を見つめる

巨大な口を大きく開け両耳に鰓と腕、背中からは数十メートルになる触手
下半身は海に沈み、頭部には先までの乗っていた船が幽霊船と化し、オブジェのように飾られていた
左半身を斬られた魔族は真の力を解放し、巨大な人魚型の魔族へ成り代わっていく
身長およそ30メートルにもなる巨体はわずかに動くだけでも津波が発生するほどの勢いだった


「さぁ、来いよ闇堕ちぃ!」
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