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IN DREAM2

第10章 生命の源




ライセイは右足の太ももから血が吹き出して
体内に異物が入ったことがわかると同時に激痛が脳の奥まで届く

「っ!」


「キヒヒヒッ
当たった!
俺の獲物ーーーぶへっ?!」

目を食らわせた魔族の一体が鉤爪のような足を生やしながら
銃を構え、ライセイに向かって走ってくる
だが、2発目の発砲が行われる前にジェイクの手甲が魔族をなぎ倒し
勢いよく海へ落とされた

「イリヤ、ライセイを任せる!」
「わ、わかった」

イリヤはライセイの傷へ応急処置を行い、手持ちの包帯などで止血していく


「さて、そいつらを全員倒すことができればいいけどね」

フィオレはクラーケンを従え、ユリエフを拘束したまま
闇の中へ姿を消していった

「ヒヒ・・」
「人間・・」
「殺す・・」

魔族と成り果てた海賊達から次々に発せられるのは
殺戮衝動に駆られた狂気的言葉

ジェイクは身を構え、炎を手に被わせながら襲いかかる魔族達を次々と倒していく

振り下ろされる剣を片手で止め、もう片手で魔族の核に炎を打ち込む
別の魔族が獣を構え、ジェイクへ発砲するが
寸前で弾を避け、一気に敵との間合いをつめ、銃を破壊し、核も破壊していく
生命力と魔力が凝縮する核を破壊された魔族は機能を停止し
肉体を消滅させ、魂は浄化されていく

戦いを続ける中、減ることのない魔族の数にジェイクは不気味さを感じた
船員は約20名ほどいたが、魔族として襲い掛かってくる数は倍を超えている
既に船の中にいるには耐えられない数の魔族を倒している
貨物部屋に隠れていたとしても、異常な数であった

どこから出現している魔族なのか
ただ船員が魔族になっていたわけではなかったのか
多くの可能性を考える中、ジェイクは背後に忍び寄る敵の影に気付いていなかった

「ジェイク君、後ろ!」
「?!」
ジェイクが振り向いた瞬間、強靭な腕がジェイクの首を締め上げ、軽々しく体を持ち上げる
「っ!」
「ヒヒ・・インドリームを殺せば、あの方からもっと強力な力を授かれる」

蒼白く変色する皮膚と浮き上がる血管
瞳を赤く染め、球結膜を黒く濁らせたその表情は狂気のものであり
船の上でクライヴに話しかけていたあの船員の男が魔族化した姿であった
「くっ・・炎よ・・我に力を――――」
「おおっと、そうされちゃあ困るぜ!」
魔族のもう片方の拳が勢いよくジェイクのみぞおちへ入る
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