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IN DREAM2

第10章 生命の源




ダミアンはアランの頭を優しくなでた

「最後にもう一つ、確認していいですか、ダミアン族長」
「なんじゃ、風のインドリームヒルト・クローズよ」

インドリームと血で汚れていない一族は歓迎する
そう言っておいきながら、ダミアンの目は時折冷たくヒルトを見る
その眼差しにヒルトは抑圧されかけながらも
一つ確認しておきたいことがあった

「暗黒戦争後、天族含めるどの種族とも交流をもたなかったのは、戦争に参加し、争った者達は全員が血で汚れているかですか?」
「―――いかにも。
先も説明したが、水族は命を奪う者を忌み嫌う。
お主はインドリームであるからこそ、アランと共に我が国へ入れたが・・風族の血が流れているということを考えると
心から煮えたぎる感情が芽生えてな・・許せ。」
「いえ、俺にむける感情はどんなものでも結構です
ただ、水族が扉を固く閉ざした理由が知りたかっただけですから。」

「ダミアンさん、少しの間だったけど、ありがとう
このネックレスをフィオレに見せて、真実を確かめて来るわ」
「そうじゃな
・・・あ、あと、お主たちはどこまで気付いておるのじゃ?」

「?」
「気付いてるって、なんのこと?」

アランとヒルトはダミアンの言葉に思い当たる節がなく、
お互い目を合わせて目を丸くする

「まさか、アラン・・お主も気づいておらんかったんか
お主が一番近くにおるというのに。」
「ごめんなさい、何の話をしてるのかまったく。」

「はぁー」
深いため息をつき、ダミアンは髭を触りながら
肩の力を抜き、呆れたように話した

「赤髪の少年、確かジェイクというのか」
「!
ジェイクの事を知っているの?」
「何をとぼけたことを言っておる。
風のインドリーム達と合流する前、水族の領域近くにお主は潜り込み、眷属達と話していた際、岸部にジェイクという少年はおったじゃろう」
「―――あ。」
「水に映る光景は全て海王と私の目に届く
そして、あの時領域近くにいたにも関わらず結界を解かなかったのは
まぎれもなくあの少年の目を見てやめたのだ」
「目をみてやめた?」
「・・何が見えたのですか?」

「・・・あの目は、命を何とも思っていないもの
光を一切通さない見下した感情と、監視を含めた
暗殺者の目じゃ――――――。」





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