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IN DREAM2

第10章 生命の源




「いかにも。
元気そうで何よりだ。
インドリームの力は上手く使っているか?」
「え、ま・・まぁね」
「それは良かった
そろそろ君が来る頃だとは思っていた
来なさい、族長が待っている」
「族長が?
でも待って!
今まであたしはずっと水族の領域付近に来たことがあったわ
それでも領域に入れるどころか、会話もしようとしなかったのに
どうして今は素直に入れてくれるの?」

アランは焦りながら違和感を感じた
ヒルトが本物のインドリームであることが証明できただけで
固く閉ざされていた水族の入り口が開くとは思えなかったのだ

「その理由も、族長なら答えてくれる
全て知っているのは族長のみだ」
「ーーーわかったわ」




「解!」

タキシードの声と同時に目の前の景色は目を疑う程変化した

虹色に輝く巨大なクラゲが漂い
青く光る宝石や真珠を飾る建物に行き来する人魚達
赤く彩るサンゴ礁はまるで芝生のように広がり
多くの水族が戯れている
老若男女問わず、全員の下半身が何かしら海の生物になり
必ず上半身は人であった

タキシードとヒルト、アランが結界をくぐり進むと
多くの水族がヒルトだけを疑うような目で見つめていた

「やっぱり、その姿になっても俺は部外者なんだな」

「当たり前だ
泳ぎ方といい、瞳の色といい、魔力といい
我々とは別の種族とすぐにわかる
・・それに、暗黒戦争以来、水族はどんな種族であろうとも
信頼することは出来ないと判断した」

「それは何故・・」



「タキシード、よく連れてきてくれたのぉ」
「!」

白く長い髭を生やした巨大な人魚の老人
身長5メートルはあるその巨体は泳ぐだけで周囲の建物を破壊する程なのだろう
巨大な人魚は周囲を泡の結界で包み、アランの前へ姿を現わす

「ダミアン様、水族であるアラン・フォースタス以外に
風のインドリームがいますがこれはーーー」
「よいよい。
全て内側からみておったからのぉ
話していた内容も聞こえておったよ
タキシード、君達は結界を再び張り、周囲を警戒しておきなさい」
「はっ!」


「・・さて、久しぶりじゃな、アラン
と言っても、ワシの事は記憶にないじゃろう」
「あっ・・えっとー。」
「無理もないなぁ
お主と会ったのはもう15年も前のこと。
まだ幼い少女であったのぉ」

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