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IN DREAM2

第10章 生命の源




更に深海へ進んでいく中、アランは動きを止めた
ヒルトは辺りを見渡すが特に変わったものはなく
暗い水が世界を覆っているようにしか感じられなかった

「ヒルト、ここから先が水族の領域になるわ」
「ここから?
けど辺りは何も見えないけど」
「今にわかるわ」

アランはヒルトと会話をしながら右手を水平に伸ばす
手の平はまるでガラスに触れるように辺り
小さな印が浮き上がった
青く光るその印は水中の中でもひときわ目立ち
無音の海の中で、扉が開く音が何処からか聞こえた

「・・・もうすぐ海兵が来るけど
あまり驚きすぎないでね?
あと、口裏も合わせてほしいわ」
「あぁ、わかった」



「ーーーなるほど、海兵を見るのは初めてか」
「?!」


男の声だけが突如、周囲に響く

「姿は化けていても人であること明確ーーー
去れ、少年よ。」

「ヒルトは確かに水族じゃないわ
けど、あたしの仲間・・インドリームよ!」

「なに?」

「傷ついた人達を助ける為に
この姿になってついて来てくれたの!」

「ーーーーならば、その力を見せてみろ」

「?!」



男の声が消えた途端
アランは激流に流され、ヒルトの目には届かない深海へ落とされていく
「アランッ!」

アランが落とされた方へ進もうとするヒルト
だが周囲に数多の魚の群れが行く手を阻み、ヒルトは身動きが取れず立ち往生となった

魚の種類に統一性はなく、次第に1匹ずつ姿を変えていく
下半身には貝の鎧と魚の尾鰭
上半身は槍や剣を構える人の姿
屈強な男の肉体を持ったそれらは腕に魚と水の刺青を入れた水族の海兵だった

「水族の兵士?!」

「いかにも。
お前はアラン・フォースタスの仲間、インドリームということであり、我々の領域に踏み入れるというなら
証明してみせよ」
「証明?」
「この一撃、貴様がどう対処するかによって
アランの運命も貴様の運命も変わる――――!」
「?!」

兵士達は一斉に槍と剣を水中に浮かせ
ヒルトへ目掛けて放った
先に槍がヒルトの目前へ迫る
(風で防ぐか?!
・・いや、地上と水中では風のコントロールの方法が違う
力加減を間違えれば、防いだ攻撃が海兵に戻り、傷つけることになる・・けど、このまま何もしなければ・・・)

ヒルトが頭の中で必死に選択肢を考えるが、納得のいく決断ができないまま、槍は目前に迫る



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