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IN DREAM2

第10章 生命の源




「い・・や・・!
どうして!
メリッサ・・!」

混乱に狂気に満ちたアランは頭を抱えながら蹲り
フィオレはその場で死を覚悟した

目前には迫る闇
逃げ場のない孤島
海は死骸と汚染物で満たされ、守るべき存在の大半を失った
せめてアランだけでも――――
そう願ってかけつけたフィオレだったが、その願いすらも叶わないと悟った

目を閉じ、闇に堕ちる事に抵抗もなくした瞬間
アランの中から巨大な魔力とまばゆい光が放たれた

「!?」
目を見開き、フィオレはアランへ声をかけようとするが
泣き止む様子がないアランの意志とは関係なく
光は熱を持ちながら力を増していく
近づく者は誰であろうと消えてしまう
そんな危機感を抱き、少し距離を置こうと離れるフィオレ

「この力は一体・・?
まさか・・・この膨大な魔力はっ!?」

アランから放たれる光の正体に気付いた瞬間
空を見上げるとそこには闇で汚染されていない純粋な水で造られた大津波が島を覆うように壁になり
メーヴィ島全てを飲み込む寸前だった


「――――そう、目覚めていたのね、あの力に―――――」


フィオレの言葉を最後に、大津波はメーヴィ島を丸ごと覆い、島の炎は鎮火され、萬栄していた闇や魔族は全て海へ流され、消滅していった





次に目を覚ました時、メリッサとアラン、そして島で生き残った水族の仲間たちは土族が管理する大陸へ流れ着いていた

暗黒戦争は続いていたが、闇族や火族、龍族の手が届いていない場所であり、漂流者がいるということで駆けつけた土族の懸命な看病により、流れ着いた全員が一命をとりとめた
体力が回復していく中、アランの目は虚ろのままであり
活気は感じられなかった
土族は水族が敗退し、深海にまで撤退した現状を告げ、アランと仲間を連れ、フィ折れにも海へ戻ることを提案した
だが、世界を救うことができる力に選ばれていたアランの存在を案じ、フィオレは暗黒戦争が終えるまで地上で過ごし、アランを守りぬくと誓った


そして暗黒戦争が終結していくのと同時に
アランも元の状態へ戻っていく
虚ろな目には光が宿り、言葉を発さなかった口からはある程度の会話ができる
フィオレはアランがいつからインドリームの力を宿していたのか確認しておきたいと感じる
だがそれを聞いてもアランは答えようとせず、そのまま1人で旅立ち、誰も姿を見ることはなかった

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