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IN DREAM2

第10章 生命の源




「みんな、行ってくる!
フィオレさんや海賊達を魔族から守ってくれ」

「勿論です、ヒルト君」
「気をつけて行ってこいよー!」
「他の事は俺たちに任してくれ」
「無事に帰ってきてねー!」

ユリエフ、ライセイ、ジェイク、イリヤはヒルトの期待に応えるために活気よく見送り、ヒルトは手を振る
「ヒルト、行くわよ」
アランは冷静に声をかけ、海の中へ潜っていく
そしてヒルトも続いて海へ潜っていき、暗い深海が目前に広がって行った






船に残ったフィオレは一息つき、近くに置いてあった樽に腰掛け
葉巻を吸っていた
船柱にもたれるように立ち、腕を組んでいたクライヴに1人の船員が近寄り、ニヤニヤと笑いながら話しかる

「あんたぁ、闇堕ちだよな?
それも只者じゃねぇな」
「ーーーー。」
「おれはぁ鼻が効くんだ
・・ふぅん、見た目は只のガキだが、中身はとことん濃い闇があるようじゃねぇか
それに闇の霊・・いや守護霊か
1、2・・・いや、4体も従えてやがんのかぁ、ククク」
「・・・。」
「何か応えてくれてもいいだろぉ?
同じ呪われた身。
水と風のインドリームが上手いことやってくれるまで、仲良くやろうやぁ」

歯並びが悪く、淫らな髭を生やした中年の男は両目ともクライヴをとらえず左右逆の方へ向いており
どこか崩れた表情でしつこく話していた
だがクライヴは一切返事をしようとはしなかった
赤い瞳は男を冷たく睨み、すぐにでも近づける手を切り落とす程殺意を向けていた
だが男は何も気づかず、クライヴの腕を掴もうと手を伸ばす

「ベイク、そこまでだ」
「・・船長」

葉巻を吸いながら、死んだ魚の目をしたフィオレは船員の名を呼ぶ

「船長、おらぁこいつと仲良くなりてぇと思って」
「そいつと我々は根本的に違う
離れろ。」
「ちっ」

全員に聞こえる大きな舌打ちを鳴らし、ベイクはクライヴから離れ、行き場のないイラつきを大砲を蹴ることで解消させた

「―――悪い思いをさせてわるかったね、クライヴ君
あいつの躾は船長のあたしが責任をもってしておくよ」
「・・・そうだな。
お互いのためだ、不必要に接触することは避けておいた方がいい」
「そうね、お互いのために・・ね。」
「―――――。」

険悪な雰囲気をでお互いを見つめるクライヴとフィオレ
その間に船員は誰も入ることができず、誰も仲裁に入ろうとはしなかった


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