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IN DREAM2

第10章 生命の源




「流石は天族・・全てはユリエフちゃんの言う通り。
空は風族、陸は土族、海は水族が守っていた
勿論、闇族もバカじゃないからね・・空には龍族、陸には火族、海には闇族が主に攻めてきていた。
それぞれの種族が持つエレメンツに合った戦場を作り上げたんだ」

フィオレが話す内容は全て真実であった
各種族が連携して守っていた領域の中で、最初に陥落したのは水族が守護した海だった
どのエレメンツよりも柔軟に、自由自在に変形させれる柔軟性をもつ水は
どんなものにも侵食できる闇属性とって歯が立たず、同族は魔族になり、海は汚染されていった

澄み渡る海は泥が流れたように黒く濁り、生き残った水族は闇の汚染が全域に届かないやうに結界を作り、深海奥深くに身を隠した
対して闇族は眷属と魔族を従え、地上戦へ乗り込み、攻防を続ける土族に追い打ちをかけていった

そして闇族が生み出したとある化け物により、戦況は悪化していく
世界の崩壊を全種族が目にしていく中、天族の介入によって終結した暗黒戦争
世界が静寂と再生へ進む中、深海へ身を潜める水族は天族との交友にも対応せず、姿を一切表さなかった
暗黒戦争以来、水族が確認できたのは戦争が始まる前に地上に残された者達に限られ、全員が故郷に帰りたいと切実に願い、何度も水族の海域へ足を運んだが、誰一人、深海へ入る事は許されなかった


「ーーーだから私達はね、調べたんだよ
何故水族があたし達を地上に置き去りにして、見捨てたのか。
そして答えはたどり着いた・・
簡単な事だったよ、水族が人に化けるその力は永遠じゃないってこと。」

「永遠じゃない?
それはどういう・・・?」

「いいかい、ヒルト君
あんたが風の一族であるなら、あんた達の一族は風を使って体を一時的に不可視の状態へできるだろ?
いわば、風と同化するものだが、それを続けて使用すればどうなる?」
「・・無理な力の使用をすれば、物質的な肉体に戻る事は出来ず
そのまま風と完全に同化し、魂は消え去ってしまう。
まさか、水族も?!」
「魂が消える事はないが、乾いた大地にずっと人に化け、生命の水を浴びなかった鱗は退化して
私達の体は完全に人間になっちまうのさ
既に、もうなってるけどね、ほら。」


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