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IN DREAM2

第10章 生命の源




「あぁ・・けど、あいつは水族であることを伏せておきたかったと思う
軽々しく口にすると、どこで誰に狙われるかわからないからな」

水族であると知れば、必ず敵を作る――――
そう最初に告げたのはアランがジェイクと出会った時だった

「あいつがどうして俺にだけ正体を明かしたのかは分からないけど、暗黒戦争以前から狩られる立場だった水族という出生に
劣等感を持っていた。
だから今でもあいつの口からは言わないんだろうな
まぁ、クライヴにはわかっていたことらしいけど。」

「だったら、今のアランは危険だろう
自分の一族がこれから刺身にされようとしてる現場を見たんだろ・・」
「だからヒルトが止めに行っただろう
俺たちまでが行く必要はない。
ヒルトはここで待機するように言っていたからな」

ライセイを冷静に止めようとするクライヴ
冷静に話す表情にライセイが疑問を抱きながら
それでも争いごとを大きくしないためにも、クライヴの言う通り、ヒルトとアランの様子を飛行船の中で伺い、帰りを待つことにした―――――







焼け焦げた船を海水で鎮火させ、船の修復をしながら捕獲した人魚を取り囲む海賊達
下賤な笑みを浮かべながら、寄ってたかって人魚の体を触りつくし、人魚の目にはかすかな涙が流れる


「あんた達、傷はつけるんじゃないよ?」

船の奥からブーツの足音を鳴らしながら近づく女性に
海賊達は黙って道を開け、その女性は腰から下げていたサーベルの鞘をつけたまま抜き取り、人魚の顎を上げ、顔を近づける

「―――これは上物だねぇ。
いい買い手がすぐに見つかりそうだ
・・・あんたの血をあの祭壇に流せば、あたし達の呪いも解ける架け橋になるのだけどね。
こんな貴重な素材は簡単に供物にできないねぇ。」

葉巻を咥えた口には赤い口紅を塗り、頬には右斜めに針で塗った後がある
灰色の瞳を持ち、巨乳が零れ落ちるそうになる露出した白いシャツと、腰には茶色のコルセットを巻き
牛皮で造られた固い長ズボンに、ロングブーツを履いている
そして背中には帆に描かれた骸骨と同じ柄があり、右腰にはキャプテンだけが被る帽子をぶら下げている

「ふぅん。
あんたが船長さんね」

「?!」

女性の背後から殺意ある声で呟いたのは
両手に剣を握士しめ、睨んでいたアランだった

「なんだお前!
いつの間に―――?!」


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