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IN DREAM2

第10章 生命の源




「でもぉー・・横になったらベットのシーツを汚しちゃうよぉー」
「・・・だからって海に吐かれるのも心外なのだけどね」
「まぁまぁ!
とりあえず今は楽な体勢にしてあげよう、アラン」

ヒルトはなだめるように話し、苦笑いをする


船は雲の中を通りなから降下していく

冷たい霧が飛行船を覆い、ユリエフは目をこするが地平線を見失い、高度も把握できなくなる
「霧が濃すぎますね・・こんな雲はないはずなのですが・・」
ゆっくりと操縦しながら船を降ろしていく
帆の上に立ち、周囲を見ていたライセイは微弱な電波を発し
周囲を感知するように神経を研ぎ澄ませる
「――――この大きさ・・・音・・・まさかっ!」
ライセイは一つの物体が近くにあることを察知し、帆から飛び降り、ユリエフの元へ駆け寄る

「ユリエフ!
今すぐ船を止めろ!」
「え?!」
「もう海の"中"にいる!!」
「?!」
「っ・・風よ!
船を覆い尽くせ!」

ヒルトは全力で風を吹き嵐、暴風を発生させ、霧を取り除いた
「!」
そして広がる景色は空ではなく、海の中に穴が開いたように広がる巨大な渦潮に飲まれていくインドリームの飛行船だった
水は船を被うように渦潮を作り、一滴の水も触れずに船を深海へ誘っている
まるで蟻地獄のように船は吸い込まれてゆき、波が飛行船を覆い尽くそうとしていた


「全力解放!!」

ユリエフは一気に魔力を注ぎ込み、飛行船を上空へ上げた
「うわっ?!」
あまりの勢いに莫大な重力の負荷かがかかり、全員が船に倒れこむ
「っ!」
魔力を注ぎ込んだ石は処理に追いつかず、上昇したのち、海上30メートルの高さで止まった

飛行船を飲み込もうとしていた海は静まり、まるで何事もなかったように波をつくりあげる

「いったい・・何が?」

ジェイクは船から海を見下ろし、あたりを警戒する

ヒルトが霧を払ったのつかの間
また霧に覆われる海に、全員が異常だと感じる

「敵の罠か?」
「だとすれば・・こんな海の上じゃ不利だな」
ジェイクとライセイは背中を合わせながら武器を取り出し、周辺を見渡す

ヒルトは倒れていたユリエフを起き上がらせながら
霧を茫然と立ち尽くすアランに気付く

「アラン、どうかしたのか?」

「―――この音、他にも船がいる・・。」
「え」
「火薬の匂い・・爆発音・・近いわ!」



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