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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




「構わん。
本来であれば金銭なども送るのが礼儀だが、財政危機にも直面している現状、こんな物しか贈り物としてできないのだ。
受け取れ。」

巻物のように筒状に巻かれた地図を執事がヒルトへ差し出し
遠慮気味に受け取るヒルト

その時、フォレストの背後から見える景色でヒルトは一つの巨大な光の柱が出現したことに気付く
「!」
「あの光は・・?」

ヒルトの目線の先にある光を確認したフォレストは窓から見ていただけでそれがただの光ではないことがわかった
まるでインドリームに次の行く先を指すように光は屈折し、遥か彼方の地平線へ伸びている

光の出現場所から巨大な飛行船が浮き上がり、休息にこちらへ迫っていた
見たこともない技術で造られた飛行船は無人の状態で城内まで飛び、インドリームがいた謁見の間の窓辺で止まる

突然の出来事にフォレストは目を丸くし、使用人ではなく自ら窓を開け、飛行船をじっと見つめる
幼い子供が新しい物を見て興味をそそられるような無邪気な目をを飛行船へ向け、鮮明に飾られた装飾一つ一つを見ていく

「――――す、ばらしい・・。
これはインドリームの物か?」

「は、はい!」

「・・よくできた船だ・・
なるほど、お前達を次の場所へ運ぶため、これは自動で動くのか・・」

飛行船に釘付けになり、我を忘れたように一人事を呟くフォレストに、ジーナはわざとらしく咳ばらいをし、呆れた表情をしていた
「・・私としたことが・・。
失礼した、インドリームよ
見たこともない飛行船に魅入られてしまい、取り乱し私を許してくれ。」
「いえ、俺たちこそ、勝手に船が動くとわからず申し訳ありません」


ヒルトとフォレストが話している中、飛行船から光の階段が浮き上がり、インドリームに船へ乗るように督促しているようだった

「・・・お前達は次の目的地へ行けばよい。
こんな立派な船を持っているなら地図は不要かと思うがな」
「そんなことはありません。
貴重な財産でありながら、俺たちに下さる事を心より感謝します。」
「フッ・・。
よくできたインドリームだ」

フォレストはインドリームに道を譲るように場所を開け、ジーナとアレックスの隣に立ち、インドリームを見送る位置になる



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