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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




「見苦しいところを見せてしまったわね、ごめんなさい」
「いや・・問題ない」
「私はね、貴方に彼女の事についてどうしても伝えたいと思ったの」

天族は手の平を差し出し、1人の女性の姿を浮かばせる
それはアレックスにとって命よりも大事な存在、ジーナだった

人手の中に収まる大きさのジーナの姿は、まるで人形のように小さく、表情はない
ただまっすぐ地平線を見つめて黙って立っていた
その姿にアレックスは実際のジーナの姿を映し出しているというより
ジーナの映像のサンプルのように思えた

「何故、ジーナのことで僕に?」
「アレックス自信も気付いていると思うけど、彼女の前世は貴方の妹、ジュリさんよ」
「!」
表情は驚いているものだったが、実際心の中では喜んでいた
ーーーやはりそうだったかーーー
アレックスの中にあった疑いが確信へ変わる
妹と同じ髪と同じ花飾り
どこか懐かしみを感じる暖かい瞳
全ては偶然ではなかった

「人それぞれにはね、転生できる制限があるの
それは前世での行いによって変わるのだけど
ジュリさんは純粋な子だったようね・・
暗黒戦争で命を落としたけど、再び貴方に会いたいという夢を抱き
生まれ変わった。
今の王女様にその記憶はないけど、自然と貴方に引き寄せられてるのは、前世が関わっているからね」
「・・天族・・世界の秩序を管理する種族と聞いていたが、本当に全てを知っているのだね
まさか魂の転生まで君達が行なっていると?」
「光へ導かれた魂だけはね。
けど、闇へ堕ち、浄化された魂は別よ」
「浄化?」

優しい眼差しで話していた天族の表情は
真剣な表情へ変わる
そして口にしたのはインドリームの事だった

本来、純粋な命が落ちた時、天族の領域へ召され転生することができる
罪人の魂が落ちた時は闇族の領域へ落とされ、闇の術によって意図しない存在へ作り変えられるか、餌として魂を喰われる
だが、魔族となりインドリームによって浄化された魂は
転生の制限はリセットされ、新たな別の命への生まれ変わる
魔族に無理矢理なってしまった者が、どれほど純粋な魂の持ち主であり、夢をいだいてたとしても
その夢は聞き届けられないのだ

「ーーーだからね、私は貴方がジュリさんを守るべきだと思うの
これからこの国に迫る闇の脅威から。」
「闇の脅威?」
「ええ、闇が迫る場所にインドリームは必ず現れる」

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