第3章 半魔
「わかっているの。
でも、兄さんも自分の魔力を制しようと頑張ってるんだから、私も負けていられない。
ユリエフさんの気遣いには感謝するわ。
でも、私は変えない。」
ユリエフの助言に聞くことなく、強い決意のまなざしで答えるエリンシエ
「エリンシエ、一ついいか?」
「どうしたの 、ヒルト君」
「転送した魔族達の中で、人に戻ったり、魔力を制止できた奴はいるのか?」
「・・それはわからない。
私は転送するだけで、その先はマーベルと兄さんに任せてるから。」
「だったら、確かめにいかないか?
本当にマーベルが言うとおりにできるのかどうか。」
「!」
「ヒルト君・・」
「お前がこれだけ大変な思いして頑張ってるんだから、きっとマーベルさんやお兄さんも大変だろうしな?
状況報告って形に顔出すのでも、大丈夫だろ?」
優しく諭すヒルトにエリンシエはうつむきながら話す
「それはできないわ」
「え?」