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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




魔力を使用した能力には支障がないことを確認するが
剣を握っている両手だけは震えが止まらない
アレックスを本気で恐れているわけではないのに
勝手に体が戦いを避け、弱っていく状態に
たった一つの原因がわかる

「先の咆哮によって、俺の身体能力が低下したんだな」

「その通りだ。
僕が闇堕ちたなら前、魔族として暴走した時に身についた能力でね
先の咆哮を聞いた者に無意識に恐怖を植え付け、同時に身体能力を半分以下にさせることができる。
そして・・・」

アレックスは剣をまっすぐ天を突き刺すように掲げ
剣先から青く光る魔法陣を出現させる

「天に浮かぶ者をも咬み殺す。
《ライジング・バルフォースト》!」
「?!」

剣先と同じ魔法陣がヒルトの周囲に浮かび
頭上から強力な落雷を発生させる
青紫に光る落雷はヒルトの風を突き抜け、直撃した体は
痺れを感じながら地に叩きつけられる
砂ほこりを起こしながら咳き込むヒルトに
更に追撃を行う落雷
無理矢理体を奮い起こし、必死に雷から逃げていくヒルト
落雷は3回連続で発生し終わり、息を荒くしながら立ち止まる

「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」

「降参するか?ヒルト・クローズ」

アレックスのせめてもの情けだろ
余裕の笑み見せながら話すその表情に
アレックス自身が敗北という言葉は結びつかない

「雷の魔法と能力低下の力・・
そっか、アレックスさんは二重能力者だったんだな」

二重能力者ーーー
それは所有するエレメンツに関係する能力と
併せて別の異能力を持つ者のこと
インドリームが一つの自然を操れないように
能力は1人につき、1つ
だが稀に、何かしらの原因で2つの能力を操れる者がいる
アレックスの場合、肉体的攻撃の身体低下能力と、魔法的攻撃の雷の魔法を使用できた

「二重能力者とは戦い慣れていないようだな
僕にとってそれは好都合だから、ここで終わりにさせてもらうよ」

剣を再び天に突き立て、更なる魔法を使用する
「終わりだ、ヒルト・クローズ!
《ライジング・フルバルフォースト》!」

容赦のない落雷がヒルトを襲った
一本の電撃は太く、更に隙間なく落雷が落ちることで
回避する事もできない追撃を浴びせる
この攻撃によって人である以上は確実に戦闘不能状態になる
インドリームであれば気絶程度でおさまる
それでも観客からみればアレックスの勝利は目前だった
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