• テキストサイズ

IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




「ーーー・・・はっ、組織の事を知っているとはね。
なるほど、クライヴ君と君達は繋がっていたのか」

「あぁ、クライヴは俺達の大切な友達だ」

アレックスは鼻で笑いながら失笑する
組織の事を知った事で己の過去も知られたことなのか
それとも格別だと思っていた同胞のクライヴが
インドリームと繋がっていた事への軽蔑か
どちらにしてもアレックスの表情から
対等に話すことは難しく感じる
それでも諦めないのがヒルトだろう
インドリームとしての使命ではなく、彼自身の心からアレックスを闇に堕としてはいけないと感じていた

「ヒルト・クローズ、構えてくれ
僕はクライヴ君にも言ったが、夢を叶えるためなら手段を選ばず
インドリームだろうと全力で戦う。」
「・・アレックスさん、俺は本当はこんな形で戦うなんてしたくない
それでも貴方が他の人の命を踏みにじってでも叶えるというなら
それは行き過ぎた夢の叶え方だと思う
だからーーー」


ヒルトは大剣だけではなく、全身にも風を纏わせる

「俺も手加減はしない」

「自分は負けないと自信があるようだが・・・
それはいつまでもつかな?!
《ヘルファング・アリジリスト》!」
「!」

狼のような咆哮がアレックスの喉奥から発せられる
その声はヒルトの平衡感覚を狂わせ
耳鳴りが脳の深部まで届くように響く

耳を抑えながらふらつくヒルトに
アレックスの剣は躊躇なく脳天を切り裂くように振り落とされ
咄嗟に大剣で防ぐ
「くっ・・!」
「どうした?
力が弱っているぞっ!」

赤い瞳は獣が獲物を狙うようにしっかりとヒルトを捉え
アレックスの中から狂気すら感じる
寒気を感じたヒルトは攻防戦にすら力が入らず僅かに手が震える

一瞬の隙すら逃がさないアレックスは
左足でヒルトの腹部を蹴り飛ばす
「っ!」
銃弾が飛ぶようにまっすぐ飛ばされ、目にまとまらない速さで結界の壁に叩きつけられる
全身が結界の壁に叩きつけられたことで
更に力を失いかけるヒルト

インドリームの力を使う余裕もない程アレックスの攻撃は続き
剣と剣が混じる音が闘技場内で響く

ヒルトは咆哮を聞いた時から全身に力が入りにくくなっている方に気づき、アレックスから距離を保ちながら風を使用して
空中へ回避する



/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp