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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国



「わかっている
だから俺自身で違和感を感じていても
ヒルトや他の奴らには話していない」
「俺にとってみたら、それは助かるんだけどさ
どうして言わないんだ?
お前はヒルト達を守る為に一緒にいるんだろ?」
「あぁ。
だが、この事を口外してしまえばジェイク、真っ先に危険になるのはお前のはずだ」
「ーーーー。」

闘技場の結界から抜けて薄暗い控え室に入り
長椅子にジェイクを座らせて話し続けるクライヴ

「大方予想はついている。
だが俺はお前を含める仲間を守る為にいる」
「大方予想がついてるなら、そんな生ぬるい事言ってないで
別の行動に移した方がいいかもな」

ジェイクな諦めかけた表情を見せながら
クライヴに答える
そして己の手を握りながら続けた

「俺だって・・人のこと言えないけどな」
「・・これは俺だけの問題でもないからな
そう簡単に動けない。
お前自身の問題に、俺が首を突っ込む気もない
だが、力になれる事があるなら
俺のやり方で助力しよう」

「あぁ、それは助かるぜ」

先より晴れた表情をしたジェイク
そして司会員が引き続き闘技場を続けて
次の選手の名前を上げた事で、両方の意識は1人の存在へ向けられた

「クライヴ、次はヒルトとアレックスさんだな」
「あぁ、ここではヒルトの戦いは見えないから
観客席へ行くぞ、立てるか?」

クライヴは肩でジェイクを支えながら
負担にならないように静かに動き、ユリエフ達が座る席へ移動していく





観客席に着いた時、真っ先に駆け寄ってきたのはユリエフだった
両手には治癒術をすぐにでも使えるように、光の球体を持っていた
そして負傷したジェイクの肋骨や肺などの傷に球体を当て
瞬時に傷を治していく
傷が治癒されていく事でジェイクの負担は幾分軽減されていくのだろう
辛く耐えていた表情が和んでいくのがわかる

「少しやりすぎですよ、クライヴ君」

不満と不安を混ぜた表情でクライヴに声をかけるユリエフ
だがクライヴは罪悪感など感じない
そう感じる要素がまったく、ないからだ
仲間にここまで深傷を負わす必要があったのか
ライセイからも咎められるが、それでも全力で戦いたいと言った
ジェイクに応えたまでだと話し、その場を去ろうとするクライヴ

「待ってよ、クライヴ」

この状況で唯一クライヴを責めなかったアランに呼び止められ、足を止める



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