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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




漆黒の竜は首だけで自律的に動き
サラマンダーを丸呑みながら黒く燃え上がり、ジェイクの炎全てを鎮火していく

「なっ・・」

予想もできない出来事に目を見開き、動きを止めたジェイク

鎮火された炎の中から火傷が完治していないクライヴが
一気に懐へ入り、躊躇なく回し蹴りを腹部へ行う

「う゛っ!」
激しい痛みが腹部から脳の奥まで届く
骨が何本か折れる音も聞こえながら、ジェイクは突き飛ばされ
結界の壁に叩きつけられた

「がはっ?!」

背中から伝わる衝撃は肺にまで届き、負傷した肺から繋がり
口から吐血をし、呼吸困難に陥るジェイク
止まるはずのない吐血を続けながら口を押さえて
ボヤける視界で見えるクライヴに警戒した
火傷の治癒が自動で行われていく肉体をもつ事が
どれほど羨ましく感じたか。

どれだけ傷を負っても心さえ折れなければ何度でも
立ち上がれる肉体
対してジェイクはインドリームとして多少は
強力な肉体になっているとはいえ、所詮は生身の人間
冷静に考えれば闇族の元王子と本気で戦えば
勝ち目がどちらになるか、誰でもわかること
例えインドリームの力があっとしても
明らかな経験差はある

何百年いき続けていたクライヴと
10年少し生きたジェイクとでは
魔力のコントロールや命令式の組み方も違う
ーー欠けているものがあるーー
クライヴがジェイクに言った言葉の意味が
体の痛みを通じて理解した


「っ・・がはっ・・」

力を振り絞っても肋骨が折れたことで
腹部に力は入らず、激痛だけが全身に走る

「ジェイク」
「!」

目前で冷静に立っていたクライヴは
ジェイクを見降ろしながら声をかけた

「俺はお前が同等と判断している
だからこそ、お前が本気で戦うと言ったからこそ
俺も本気で応えたが・・
その状況でまだ立ち上がり、力を払うというなら
更なる追撃を行う」
「・・・・」
「ここで命をかけてまで俺と戦うことを選ぶか
それとも負けを認め、また別の機会に戦うか
お前が選べばいい」
「っ・・・!」

ジェイクは歯がゆい思いと、情けをかけられているように思えたからこそ、歯を食いしばった
同等と言いながら選択肢をだされたことは
己の方が下と思われているからではないか
素直にクライヴの思いを受け止めれないことにも
苛つかせ、血を口から垂らしながら声を荒げてジェイクは話した



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