• テキストサイズ

IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




闘技場のすぐ近くに流れる川は透き通っており
人が飲んでも問題ないほど洗浄されている

「魔力を流すならこういう水がいいかしら」

アランは川の中に手を入れ、魔力を流し込み
全ての水路に映る人々を脳内に映像として焼き付け
カンスの護衛兵を探す

「獣人・・人・・魔法使い・・獣族の兵士・・全部違う。
一体どこに・・?」

流れ出てくる映像と共に人々の声まで聞こえる状況で
不要な声も多くあった
獣族の間では人を嫌い、人間たちの中では獣族を迫害する企てを計画する者
そしてインドリームに水族がいることに気付いた貴族達が
下賤な会話をし、アランを狙っていることにも気づく

「・・あたしを捕まえて好き放題したいようね
ま、人間の考えることらしいわ」

アランは人間という種に嫌悪感を抱きながら、人混みの中、一人だけ路地裏に入って行く一人の男に目がついた
それは鎧を身に包んではいないが、確実にカンスの護衛兵であり見間違えるはずもない姿だった
猫背で灰色の短髪と目の下にクマをつけた細身の魔族
クライヴが出会った組織の男だ

「確か名前はヘイデンだったかしら?
この路地裏は3番街の方ね」

水から手を引き、アランはヘイデンが向かった路地裏へと進み
闘技場から完全に離れて行く




路地裏の中でヘイデンはユーインと合流し、任務の事について話していた
ヘイデンから語られる内容にユーインは目を見開き、鋭い犬歯が見えるほど歯ぎしりをしていた

「ヘイデン、それは本当なの?」
「あぁ、あの神官は奴らと繋がっている
裏で動いている事は確実だ
アレックスは神官の計画に必要な歯車の1つ・・
云えば利用されているに違いない」

「ドォするよ、あのコワレカケタ歯車をイマのうちにコロスカァ?ヒヒッ」

「馬鹿をいうな、我々はアレックスを殺すためにここにいるのではない
あくまで監視を含めて任務の為にいる」

魔人は疼く殺戮衝動を抑えながらヘイデンに囁くが
無闇にアレックスを殺す事に気が進まないため、冷静に止める

「僕は引き続きこの街に奴らが現れないか監視するつもりだけど
既にカンスと接触していたということは、もうここには来ないかもしれない
次に動くのはカンスと見て僕も姿を隠してヘイデンの近くにいこうか?」


/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp