• テキストサイズ

IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




闇を纏いながら風のように姿を消したサルナスを見届け
司会員は一度結界を治す為に対戦を中止することを放送で伝え
丁度日が昇って真昼になっていたこともあり、多くの観客が昼食をとるために席を外していく

ライセイは観客席へ戻り、ユリエフ、イリヤ、アランが待っていた席に座り、ため息をついた
それはサルナスとの戦闘によって生じた疲労感からくるものであり、石畳で造られた長椅子がもう少し居心地の良いものであれば
すぐに眠りについてしまうほどだった

「ライセイ君、傷はないと思いますが私の治療で疲労感も軽減させることができますが・・」
「大丈夫だぜ、ユリエフ
こういう疲労にも慣れねぇと、これから強くはなれないだろ」

ライセイはユリエフの治療を断り、すでに泣き止んでいるにも関わらずイリヤの頭を優しくなでながら話した

「それにしても、あのアークっていう魔術師は強敵すぎだな
今回はイリヤが相手だったが、俺があたっていればきっと負けてただろう」
「・・それ、イリヤの慰めようと言ってるの?」
「んなわけねーだろ、イリヤ
冷静に考えれば誰が相手しても今の俺たちじゃアークには
勝てねぇってことだ。
だからお前がヒルトの足引っ張ったとか思うんじゃねぇってこと。」

ライセイは冷たく言い放つが、イリヤとアラン、ユリエフにはライセイが心からイリヤを心配し、気付かて話したことに気付き少し和んだ空気が流れる

「まぁ、ライセイの言う通りね。
これから午後の試合でヒルト達がでるのよね」
「そうですね、アランさん
恐らくヒルト君はアレックスさんと対戦になりますでしょうから、クライヴ君とジェイク君が誰と戦うか、です」

アランとユリエフは試合予定のスケジュールを紙で記載されたパンフレットを見ながら、考えていた

同時にアランは貴族席にいたカンス神官の背後に立っていた兵士が姿を消していたことにも気がかりとなる

「ユリエフ、あたしみんなの昼食になるもの買ってくるから、ここで待ってて」
「え、アランさん?!」

アランは簡単な口実を作り、ユリエフ達から離れ、闘技場をでて兵士を探す為に辺りを見渡した
多くの人々が行きかう中、兵士の姿はもちろんなく
闇雲に探すのは困難のため、一つの方法をとることにした

闘技場の周囲と町に流れる川は多数の変われ道や管を通して流れていることから水を利用して追跡しようとした



/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp