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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国



本来石化する対象が生命であれば効果はあるが、今回は雷をまとった槍であり、十分に効果を発揮できず、更にインドリームの能力で作り出された雷は通常の自然界のものとは性質が異なることから更に石化の効果が薄れていく

「っ!」

サルナスは更に魔力を流し込み、槍が届かないように大盾を強化するがそれでもライセイの槍は容易く貫通してゆき、ついに魔眼を貫いた
その瞬間、膨大な電撃の爆発が起こり、暴風と衝撃波により
観客席の結界は破壊され、禍々しい魔力と磁力の余波が流れ込んできた


「・・・終わったな、闇の騎士」

ライセイは槍を磁力で回収し、手元に戻しながらサルナスに向けて話した
それは右腕が吹き飛ばされ、赤黒い己の血を返り血のように全身に浴び、膝をついて動かずしているサルナスが見えたからだ

「驚いた。
まさかこれほどとは・・。」

サルナスの吹き飛ばされた右腕は切断されたのではなく
強力な電撃を受けたことで肉体ごと消滅し、肩から焦げ臭い香りを放ちながら己の敗北を認めた

「貴様の力を見誤っていた私の敗北だ」


「――――しょ、勝者、インドリーム!!」

サルナルが信号弾を放ち、直後に司会員によって判定された結果は
観客を喜ばせ、結界がないことからライセイは直接歓声が耳に届いた
その声は雑音とは思えず、どこか清々しいものと感じた


「・・ライセイ・ラゾーラ」
「あ?」

サルナスは左手をライセイに差し出し、静かに話した

「我が主の友という貴殿に数々の無礼をしたことを詫びたい。
このような形でなければ、私は貴殿に敬意を表し、今回の実力も含めて尊敬に値する存在と感じ取れた」

傷だらけの左手を差し出すサルナス

「我々の事情を考慮しながら全力で戦ってくれた事、感謝する」
「へっ!
そんなの、気にすんなよ」

ライセイはサルナスの手を握るのではなく
手の平を叩き、明るく答えた

「お前はお前の主人の命令でここにいるんだろ
俺たちは俺たちの事情があって戦ってたんだ
お前の主人からは情報共有されているし、あんたが本気じゃないこともわかってる。
きっとあんたが本気になれば、俺は即死だろうしな」
「・・ああ。
それから土を司どるインドリームには申し訳なかった
私から謝罪しておく」
「イリヤのことか
まぁそうだな・・伝えておく」

ライセイに頭を下げ、サルナスはその場から姿を消した

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