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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




「アレックス・・・」


願いを込めるように両手をにぎるジーナ
その様子を隣で見ていたカンスは不快な表情をし、護衛についていた兵士を呼び、小声でとある命令をした
兵士は命令を聞き終えると軽く頭を下ろし、その場を後にする

その様子を遠目でみていたアランは兵士の行方を追う必要を感じるが
結界の中で繰り広げられる戦いが激化し、意識はイリヤとアークの方へ戻される



激しくぶつかりあう中、アークは空中に体を浮かせ
魔法壁を纏ったまま空を飛ぶ


「土を司るインドリーム
貴方は魔力の使い方をまるで分っていない」
「どういうこと!」
アークは数メートル離れた上空からイリヤへ向かって話し
イリヤは納得がいかない表情を浮かべる

「魔力は命令式一つで魔法へ変換させれる動力源
ですが、その命令が単純すぎると魔法も脆くなるのですよ。
高度な技や精度が高い魔法を作り、相手を葬るときはそれ相応の命令式が必要であり、それを可能にできるのは――――」

アークは杖の先端に装着されている宝石アメジストで
空中に魔法の文字を描き左手では小さな呪文の印を浮かばせ
文字と印を瞬時に重ね合わせた

「この私、アークだけです!
我の声に応えよ!≪フロスト・スピネス≫!」
「!?」

アークは大蛇のように蛇行して襲い掛かる業火と中心には氷の刃を忍ばせ、炎の熱で溶けないように風を纏わせ酸素の動きをコントロールさせている

「やば・・っ!」

イリヤはとっさに岩石の壁を築き、アークの魔法を防ごうと技を発動させる
「大いなる大地よ、我を守れ!≪アズロマ・ラ・カイト ≫!」

「そんな石ころでは身を守ることなどできませんよ!
打ち砕け!≪バーニング・ナイト≫!」

アークは先にマグマの津波を作り上げ、イリヤの足元へ勢いよく流し込み、岩石の壁を溶かしてゆく

「!」

イリヤは壁を失くし、マグマから回避するために動くが
巣穴から獲物が出てくるのをまっていたように
アークは隙なく業火と氷の刃をイリヤへ向かって襲わせた

「大いなる大地よ、怒れ!≪デュモル・チェ・ライト≫!」
イリヤは両手に持っていた金槌を地面に叩きつけ、最大の切り札の技を発動させた

イリヤの足元の地面は割れ、アークのマグマは谷底に流れ落ちていく
それは自然な流れる速さではなく、吸い込まれるように瞬時にして切れ去っていった

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