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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国



司会員の合図と共にイリヤとアークは魔力を増幅させ
イリヤからの先制攻撃から始まった

足場は頑丈なレンガで作られている
それはイリヤにとって好都合な戦場であり
足元の石を操る事によって、何もない空中から石を作り出すより魔力の消費を抑えられる

鉄の金槌の周囲を更に岩で覆い、豪快な一撃をアークへ向けて振り落とす

「魔術・第三展開《サード・ガード》」

アークは自身を中心に薄く金色に光る魔法の防御を展開し
イリヤの攻撃を魔法璧で防ぐ

「!」

イリヤの金槌とアークの魔法璧が直撃した場所からは
魔力が衝突した際に発生する雷と閃光による激しい光が出ており
それでも一本も引かない両者


「ーーーおぉっとこれは素晴らしい!
闇の魔術師に対し、真っ向から向かうインドリーム!
魔力の衝突から発生する衝撃波は観客を守る結界すら
無意味だと思わせる程だ!」

司会員の中継は結界の中にいたアーク、イリヤを含め
観客席にいるアランとユリエフにも届いていた

一般席から見守っていたアランとユリエフは
不安気な表情でいる

「まさかイリヤさんの相手が闇の騎士だなんて・・」
「そうよね、クライヴからは知らされていたけど、イリヤが当たるなんて
これ、最悪な展開かもね」

アランとユリエフの周囲の観客は賭けていた金券を握りしめながら
それぞれ応援するが
アランとユリエフは仲間の勝負にお金をかける必要もなく、歓声を上げる事なく冷静に状況を分析していた

「あの魔術師はイリヤと戦う前に20人いた戦士や魔法使いを氷の壁で一気に串刺しにして勝利したのよ
それも中には飼い慣らされた魔族や半魔までいたわ
見た限り、中級クラスだったはずなのにそれを一撃で仕留める実力者なんて・・
イリヤが勝てたらいいんだけど。」

「アランさんの仰る通りですね
あの魔術師は数多の禁術も使えると聞いています
死体に憑依して戦っているので、全力では戦えないでしょうが
それでも油断は禁物です」

ユリエフとの会話の中、アランは貴族専用の観客席から
カンス神官と護衛兵、そしてジーナと婚約者の隣国の王が見ているのを気づいた

「ユリエフ、あそこにジーナさんがいる」
「!
隣は隣国の王様ですね」
「これを見に来たわけじゃなさそうな」
「ええ、恐らく目当てはアレックスさんですね」


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