第9章 ディオン連邦共和王国
「この部屋に出場するはずのヒルトとクライヴとジェイクがいないってことは、もしかして敵として戦わなくちゃいけないのかな?」
「どうだろうな
そうかもしれないし、他にも控え室はあるから
そこに行かされてるのかも。」
「そっか・・
あまり仲間同士戦いたくないんだよね」
「そんなの俺もだよ
けど、俺達が出ないとアレックスと戦う道のりが長くなっちまうだろ
ヒルトだけに出させて、一人で戦い続けさせるなんてできない」
「んー、まぁそうなんだけどね」
イリヤは納得がいかない表情を浮かべながら呟く
外からは白い爆煙が鳴らされる音が多く鳴り
その数分、戦士達が降参をしているのがわかる
それは闘技場に戦士達が向かって数分の出来事であり
あまりの早さにイリヤとライセイは多少の焦りを感じた
「おいおい
戦士達が降参するの早すぎねぇか
一体どんな奴が外にいるんだよ」
「ーーーさて、お待ちかね、次なる対戦相手は
インドリーム、土を司る者、イリヤ・マルクーーー!」
外の司会員がイリヤの名を呼んだ瞬間
観客からの歓声は更に高くなり、すぐにでもイリヤの登場を待っているのが伝わる
「ライセイ、行ってくるね」
「あぁ、気をつけろよ」
「うん」
イリヤは最悪の事態を踏まえて信号弾だけを
腰に巻いているリボンに結び、控え室から出て闘技場へ向かって歩いて行った