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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国


闘技場出場当日、人々の歓声はいつもより大きく
満席であるにもかかわらず、立ち見でよいといって押し寄せる観客
そうまでしても見たいのはたった1つ
インドリームが出場するためだ
誰と戦うかは観客は知っているが、戦う本人は闘技場が始まらなければわからない
そしてある程度能力がある者はペナルティとして
普段使い慣れていない武器などを持たされ
指定の方法でしか戦えない

だが、そんな事ではインドリームの全力が見れない
次期国王と神官カンスは通常のルールを変更して
インドリームには自由に戦っても良いと伝え、闘技場の観客席に
衝撃波等が飛ばないように結界をはった

透明であるが細かく魔法の文字が描かれているその結界は
人間達が独自に開発した法術
闘技場で強者同士が戦う際に使用する技術であるが
今まで使用されたことがない
なぜなら結界を使用するまでもない戦いが
ずっと続いていたからだ


戦士達が控えている部屋には
数多の武器が飾られており、全て磨きがかかったものだ
中には東の国から生まれた刀という細身の刀身の剣もある

獣族の戦士や人間と魔法師は、闘技場が始まってから
司会員に名前を呼ばれるのをずっとまっている

閃光虫により部屋は明るく照らされているため、全員の表情が緊張で満たされているのが鮮明に見えた


「みんな怖い顔してるね」


1人だけ武器を持たず、長椅子に座りながら足を振りながら
暇そうにするイリヤ
その表情には緊張など一切なく、片手には朝食用のパンを持ちながら呑気に食べていた

「おいイリヤ
いつまで食ったんだよ
いつ呼ばれるかもわからないんだぜ」

呆れた表情で声をかけたのは
ライセイだった

「だってお腹すいちゃったもん」

必要なものは既に準備し、余裕があるからの反応だろう
イリヤはライセイからの忠告に聞くことなく、パンを頬張る
その様子にため息をついたライセイは
腰につけていた二本の水のボトルのうち、一本をイリヤに渡した

「ほらよ
これ飲んで喉通しておけ」
「お!
ありがとうー」

水でパンを早めに流し込むことができ
丁度多くの戦士達が名を呼ばれ、戦場に向かって行く
まだ名前が呼ばれないイリヤとライセイは少し沈黙になり
周りを見だした

「ねぇライセイ」

イリヤの声にライセイは「なんだ」と静かに反応する

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