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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




アレックスの決意と憎しみがまじった瞳
それはかつて監獄という異世界で
ミレイアを救うために抱いたクライヴと同じものだった

命を重んじるために、アレックスに考え直すように言うのではない
夢しか見れず、そのほかの事は置き去りにしていると
夢は叶えられないことを伝えたかった
だからこそ、闇の騎士を使用し、ここまで手を回し
インドリームとは別行動をしていた


「アレックス
俺はかつて、あんたと同じ目をしていた
そして結果、敵の罠に陥り、闇に溺れるところだった」
「・・・。」
「それはたった一つの夢の実現のために、他の事は考えていなかったからだ
まだ出会って浅い相手に言うことではないと思うが
俺が経験した危険を味わってほしくない」
「・・・やけに優しいのだな、君は。」

ため息交じりの返答をするアレックスは
包帯を巻き終わり、衣服を着ながら
それでもクライヴには目を合わせなかった

「でも忠告ありがとう
できる限り、気をつけるよ
そして包帯も助かった・・この仮はいずれ返すようにする」

装備していた鎧も身に着け、アレックスはクライヴの肩に手を置き
そのまま拷問部屋から出ていった


「――――ああ、そうだ」

アレックスは去り際に、一つ思い出したことを口から吐いた


「明日の闘技場で、僕と君の友達が戦うことになっても
容赦はしない。」


決して喧嘩を売るつもりで話したのではない
そうわかっていたとしても、アレックスの最後の一言は
己の全てを見透かしたクライヴへの仕返しなのだろう

格が違うということはわかっていても
出会って浅い存在に忠告され、見透かされ、情けもかけられた
それはアレックスにとって惨めな思いが強くなっていく原因んである
だからこそ、我慢などできず脅し文句を吐き捨て
その場を逃げるように去ってしまうことになった




監獄から姿を消したところで映像は消え、クライヴはヒルトや仲間に目を合わせこれが共有すべき情報のすべてだと言った

ヒルトを含めるインドリーム全員が険しく、考え込む表情をしていた

勿論、答えはすぐにでるわけもなく、皆の意見が統一されて口から出ることもない

しばらく沈黙と静寂が続く酒場で
先に声をだしたのは、一人だけ拍子抜けするような
少し間抜けな表情をしたイリヤだった

「でもさ、イリヤたちがする事は変わらないよね?」

「え?」
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