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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国



鉄格子の窓には僅かに外からの光が差すが
部屋の中は薄暗く、壁には古い松明の火が灯されている

鉄と魔法で拘束具をはめられ
口には獣が噛み付かないようにする為の口輪がはめられていた

頭部から突き出る立派な山羊の角は
凶器のようにするどく伸ばしている男は下着姿で鉄の椅子に座らされている



「ーーーアレックス
いつまでこんな所にいるつもりだ」


拘束されている男の名を呼んだのは、カンスの護衛兵だ
「我々と共に組織の一員として活動していたお前は
今のように落ちぶれてはいなかった」

全身鎧で身を包んでいた兵士は
兜を外し、アレックスに近づく

「ーーーーヘイデンか」

黒い瞳の下にクマをつけ、灰色の短髪についた埃を手で払いながら
ヘイデンは己の名を呼ぶアレックスに話し続けた

「ここはホコリも沢山。
そしてカビ臭い。
我は長居したくない・・
だからアレックス、いい加減国王に楯突くのをやめるか
この国から出て組織へ戻るのはどうだ」
「ーーーー。」
「組織の一員としてこの国の建国に
協力していたから、同情するのはわかるが
この国にいることはきみの良さを殺している」
「僕の・・良さだと?」


力のない声でアレックスは反応する
そしてヘイデンは繰り返した
組織へ戻ってこい、と。
だがアレックスは断固として否定し
その都度ヘイデンは拷問専用のナイフでアレックスの
腕を切り裂き、痛みを与えた

「っ!」
「本来、次期国王に楯突いたということでの拷問だが
我はそんなつまらない理由で君を傷つけたくない
だからこそ、こういう時にしか説得できないから
多少厳しくさせてもらうよ、アレックス」

「・・・何を言われようと、僕は戻らない。
あの子を救うために・・僕は戦うと決めた」

「ジーナ王女か
わからないね、あの王女を隣国の王と結婚する事から救ったとして
その後はどうする?
王族の女として生まれたのであれば、外交の為に子を産み、王の機嫌を良くさせるのが務めだろ。」

冷たく切り捨てるような言い方をするヘイデンに
アレックスは拳の力を握りしめ、怒りが爆発しそうになる
それでも、ヘイデンの過去をしっていたアレックスは
怒りより憐れな目でヘイデンをみた

「ヘイデン・・・
貴方だってたった1人の女性を愛し、共に過ごしたいと願ったりはずだ。」
「!」


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