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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




赤い瞳はヒルトを含めるインドリーム全員に向けられ
冷静な表情で出迎えている


入国してから独自で動いていたクライヴがどうやって宿を探し当て、
鍵もなく入れたのか不審に思っていたが、まずは何事もなく合流できたことにヒルトは安堵した


「クライヴ・・
ここを知っているなら闘技場であったときに
話してくれればよかったじゃないか」
「そうですよ、私達はクライヴ君と連絡取れる手段がありませんし
この国が抱えている問題も一筋縄ではいかないようです」

ヒルトとユリエフの話にクライヴは冷静に答えた

「そうだろうな
お前達がきいた問題がどんなことか確認したいが
まずは俺が掴んだ状況を説明したい」


クライヴは右手に闇の水の塊を作り出し
その中で己が見た全ての映像を映し出した

拳程の大きさの水は次第に膨張し、3メートル程の大きさになると
映像も次第に鮮明に映し出され、クライヴの声や相手の姿もしっかりと確認できる

最初に映し出されたのはインドリームと行動を別にしてから
路地裏で見つけた組織の男と少年と魔人
そしてその3人が任務という名目で魔族を殺し、その死体をサルナスとアークが利用し、受肉して闘技場に参加している現状。

後にアレックスと出会い、元々組織に所属していたが離脱し、王国には兵士として働き、闘技場で今まで不敗

アレックスと共に行動している中で一度カンス神官と顔を合わせており
その際アレックスは最大限の敬意を見せていた



一連の流れをみたヒルトはどうしても
アレックスが王権を狙っているとは思わなかった
そう考えているなら、闘技場で会ったカンスに
あそこまで深く敬意を示しはしないだろう


「クライヴから見て、アレックスさんは何を望んで闘技場にいると思う?」
「ーーーそうだな
あの目はかつての俺もしていたものと同じだったから
なんとなく想像はつく」

クライヴは水の塊の映像を別のものに変えながら
ヒルトの問いに答えていた

「守りたい人がいる
その為の戦いで、今がある
そんな思いが感じ取れた」

「やっはり・・・
じゃあアレックスさんは」

「だが、決めつけるのは早い
これも見てほしい」

クライヴが次に映し出したのは薄暗い空間の中
1人の男が拘束され、血を流している映像だった


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