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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




「アレックスが王権を狙っている?!」
「おい、そんなことなんで言えるんだよ」

アランに続き、ライセイは敬語を使う事なく
経緯も見せない態度に、ヒルトとユリエフは頭を抱えて黙っているが
その表情は深刻だった

だがカンスはライセイの言動に何か言う事なく
自然に会話を続けた

「初代王はとある組織と手を組み、獣族の王と戦い勝利した
アレックスは元々組織の者で当時人間側の為に戦っていたからじゃ。」

「組織・・?」

「インドリームの皆様はまだ知らないのか・・
まぁ奴らは歴史の裏で動く者じゃからな
表のお主達には縁がないのじゃろう。」


カンスはため息をつき、両手に持っていたナイフとフォークを置き
布巾で口元を拭きく

「カンス神官
アレックスはこの国の歴史を知っていることから不満を抱き
闘技場へ出場・・そして優勝すれば人間から王権を取り返そうとしているということですか?」
「いかにも。
ヒルト・クローズの言うようにワシは想定しておる」

「・・・。」


カンスの推測が正しければ、アレックスは王国の兵士として活動はしていない
ヒルトは真っ先にそう考えた
獣族のために戦っているなら、兵士などせず
ただの戦士としていればどれだけ楽か。

それでも兵士を選んで動いているのは
恐らくジーナのためではないか
アレックスはジーナを王女としてではなく
少女として見ている
だからこそ、ジーナとは仲良く話し、彼女が自由でいられる間は
快く受け入れ、宿の常連とも仲良くさせていたのだろう

ジーナと話している時のアレックスの表情が
ヒルトはどう考えても純粋な気持ちから出ているように見え
ジーナを利用しているとも考えられなかった


「そこでだ、インドリーム諸君
ワシは君達にも闘技場に出てアレックスと戦ってほしい」
「!」
「そして、奴の目的を崩してやってくれ
闘技場では一度でも負けると二度と参加できんのじゃ。」

「ーーーでも俺たちは明日、初めて出場します
とても優勝候補者と戦えるとは・・」
「気にせんでもよい。
ある程度の強者と明日は戦ってもらう
勿論勝てば次はアレックスが相手になる」


カンスの思惑通りに動いていいのか
ヒルトは考え込む
カンスに協力しなければこれ以上国の問題など聞き出せず
裏で潜む闇にも対抗できない
だがこのままアレックスと戦うことしかできないのか





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