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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




フォレストはジーナの意見を聞く事なく
無理矢理連れ去ろうと強引に腕を引っ張り歩かす

その様子を見ていたアレックスは尖る犬歯を見せながら
拳を握って尻尾を縦にふって震えた声を絞りながら出した

「フォレスト次期国王!」

「ーーーー。」

「彼女は・・ジーナ王女様は拒絶されておられるようですが・・」
「・・ただの兵士で闇堕ちの獣が俺に刃向かうか。」

フォレストは指を鳴らし、アレックスに目を合わせる事なく過ぎ去る
その直後、近くに立っていた兵士の2人が持っていた剣の鞘で
アレックスは後頭部を叩き落とされ
激痛と衝撃で正面から体を伏せる姿勢へもっていかされた

「っ?!」

痛みと兵士の早い動きにアレックスは睨みつける

「カンス神官、この獣の事は任せる
それ相応の罰を受けさせろ」
「畏まりました。」

フォレストはジーナを無理矢理連れて行き
隣に立っていた老人の神官の名を呼びながら命令した
その老人は先までアレックスとクライヴが会話をしていた時に接触した者であった

「さて、アレックス。
君には少し調教が必要じゃな」
「っ・・・!」
「安心しなさい、ワシの威厳に免じて
1日で解放してやるよ。
ーーー連れて行け!」

カンス神官はインドリームに目もくれず
アレックスを強制連行しようとした

ヒルトはすぐに呼び止めようとするが
声を出す前にユリエフに止められた

「ダメです、ヒルト君
ここは私達の出る幕ではありません」
「でもユリエフっ!」
「状況を整理して出直しましょう
この国には特殊な事情を抱えているのでしょう
それを気づいているからこそ、クライヴ君は独自で動いているのですよ」
「!」

ユリエフの説得にヒルトはアレックスを追う事をやめ
腕の力を弱めた

「私達は作戦を立て、優先順位の見直しと
この国が抱えている問題を確認しましょう」

「っ・・わかった」

連行されるジーナとアレックスの姿を見ていたヒルトは拳を握りしめ
何もできなかった己の非力さに歯がゆい思いを抱きながら
まずはユリエフの言う通りに行う必要があると思い
闘技場を後にした




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