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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国


「え?」
「俺独自で調べたいことがある
お前達にも情報の共有はするが、俺のやり方で動いた方がいいこともあるからな」

クライヴの自信に満ちた話に
ヒルトは闘技場を退場していくサルナスを見ながら小声で応えた

「わかった、サルナス達を使ってるから
あまり俺たちとは接するのは避けた方がいいんだな
けどまさかサルナスが出るとは思ってなかったぞ」
「必要に応じてあいつらは使うと決めている
お前達も闘技場にでるなら、覚悟しておけ。」
「・・・ああ。」

ヒルトとの会話を終えるとユリエフやライセイには話さず
目を合わすこともなく過ぎ去って闘技場から姿を消すクライヴ
その様子を見ていたアレックスは流石に気を使ったのだろう
インドリームと共に行動する仲でもあまり関係はよろしくなく見えた

「彼は・・」

言葉を詰まらせ、何から言えばいいかわからないアレックス
それをフォローするようにジーナは笑顔で近くの有名な店で
食事をする事を提案し、親睦を深めようとする
だがアレックスは勤務中だと冷たく断り
クライヴに続いてその場を離れようとする

インドリームとは必ず一線引いた関係でいようとするその姿勢に
ヒルトは引っかかっていた
何故ここまで距離をとる必要があるのか、と。
ただの闇堕ちだけでここまでするのか

アレックスが歩き去ろうとした瞬間
その足はすぐに動きを止め、体は硬直した

それはアレックスの視線の先から数人の兵士と老人の神官を連れた
時期国王がこちらに向かって歩いてきていたからだ

黄金の短髪に小さな冠を被り
白い羽毛で首元を覆い、真紅のマントをなびかせて
背筋良く歩くその姿は、まさに王の器を見せつけていた

若いその男は嫌悪な表情だアレックスを睨み
ジーナへまっすぐと向かってくる

何も語る事なくアレックスは道を譲り
その頬からは緊張からでる汗が流れている

「ジーナ」

「フォレストお兄様?!
どうしてここに?」

ジーナは実の兄が直々に出向いたことに驚き
理由を問うが、その問いに答えることはなくジーナの手を強く掴み
そのまま無理矢理引き寄せた

「来い。
隣国の王が急遽花嫁を一目見たいと入国された」
「え」
「お前はこれから城に戻り、身なりを整えて出迎える」
「ま、まってよ!
私はあと数週間だけ自由だって約束してくれたじゃない?!」
「急変した。
いいから言う事をきけ。」
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