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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国



「・・社交辞令として今の言葉は受け取っておくよ」
「ーーーー。」


アレックスとクライヴの会話がひと段落ついた時、歓声が盛大に盛り上がる

視線を再びサルナスと魔獣の戦いに向けると
そこには跡形もなく闇を消滅され、灰となった魔獣と
大量の返り血を浴びたサルナスが凛々しく立っていた


「ーーーー勝者!!
サルナスーーーー!!」


司会者の声と同時に更なる歓声が湧き上がる

サルナスは軽々しく剣を振り、鞘に収め貴族側の閲覧席へ向かって頭を下げ
騎士として立派な振る舞いを見せた

「・・やはりあの騎士は強いな
僕も追いつかれないようにしなければ。」


アレックスは退場していくサルナスを見ながら呟く

歓声が最大に響く闘技場
その中でも一際目立つ明るいピンク色のフードを被った少女が
アレックスの名を呼び、駆け寄る

「アレックスー!」

無邪気な笑顔と丸々とした瞳は愛らしく
まるで親元へ駆け寄ると子供のように走ってくる姿をみたアレックスは
暗い表情から明るく光が差した瞳にかわり、その少女の名を呼ぶ

「ジーナ」

アレックスの腕に抱きつき、ジーナはフードを取らずに明るく話した


「貴方もここにきてたのね!
私も今インドリームの方々に闘技場の登録と仕組みの案内をするために来たところなの!」
「ーーそうか、それは偶然だね」
「あら?
その方は確か・・」

ジーナがクライヴを見るやすぐにインドリームと同行していた者と気づき
声をかけようとする
だが先にクライヴを呼びながら駆け寄る者達がいた

「あー!
クライヴじゃねぇか!」

聞き慣れたその声は間違えるはずもない
その対象の存在が通るだけで何故かいつも風が吹くのは
種族からなるエレメンツのせいか、能力のせいか
はたまた風など実際は吹いておらずただいるだけで
風が吹くと感じる程のオーラがあるのか

「ヒルト・・」

クライヴは己の名を呼んだ少年へ視線を向けた

「よかった、クライヴもここにきてたんだな
正直どうやって合流しようと思っていたところなんだ」

「それなら心配しなくていい
お前達の魔力で探せば見つけることができるからな」

「そうか・・・。
ところで、アレックスさんとも知り合っててよかった
これなら話もしやすいな
俺達が泊まる宿の持ち主がアレックスさんなんだ」
「なるほどな。
だが俺は暫く宿には行かない」

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