第3章 半魔
ずっと歩いていく先に、エリンシエが団長を務める結界師団のギルドの前にたどり着いた
ギルドの建物はレンガで造られ、屋根の部分には四角い木の看板が飾られている
看板の中には人の手と菱形が描かれており
結界師の紋章が大きく記されていた
「皆んな、戻ったよ!」
エリンシエが扉を開けると、一階は酒場とバーカウンター、受付と兼用されており
結界師と思われる法衣を纏った男達が何人か酒を飲んだり会話をしていた
「皆!紹介する、彼等はインドリームの
ヒルト、ユリエフ、そして仲間のクライヴだ」
エリンシエの唐突な発言に、その場の空気が静まり返る
「暫く、彼等の面倒は私がみるが、その間、世界の事や魔族の事、我々より詳しいインドリームに多くの事を学ぶのだ!」
「え、ちょっとエリンシエさん?」
先までの打ち合わせでは聞いていない話に
戸惑うユリエフ
「なんか、勝手に進められてるな」
「・・どうするつもりだ、ヒルト」
「とりあえず、エリンシエの言う通りにする。
もし、俺たちの意図に沿わない事が起きそうになれば、未然に防ぐ。」
警戒するヒルトとクライヴ
そんな二人に、エリンシエは気にせず、階段を上りながら声をかけた
「さぁ、こっちよ、インドリーム!
付いてきて!」
「ーーーー。」
言われる通りに階段を上り
二階へと登るヒルト
木扉を開けると小さな小部屋にベットが4台並び、机と椅子、窓が設置され、簡単な作りになっていた
「豪華なおもてなしは出来ないけど、これで我慢してもらえるかな?」
「大丈夫だ、ありがとう、エリンシエ」
「どういたしまして!
ところで、唐突な話で悪いけど、貴方達は魔族の他に何を知ってるの?」
「と、いうと?」
「人類の敵とみなす存在よ。
半魔、闇堕ち、魔獣、魔神、これらは一般的に恐れられる存在であり、出会えば殺せ、と言われるほどよ」