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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




日中の日光が指しているにかかわらず
建物の影の中は暗く
人気もない状態であり、静まり返っていた

その中、クライヴは一人歩き、路地裏で汚れて倒れているスラムの人間の子供を見るが
目にもくれず進んでいく

入り組んだ路地裏の中、血の匂いが充満している


「・・・。」


クライヴはまよいなく進み、たどり着いた場所には
赤い血を流しながら生き倒れている二体の魔族
その前に立っている返り血を浴びた男と少年がいた

「ヒヒっ・・キズカレタナ」
立っていた男の傍らには長い舌を垂らしながら
鋭い牙をむき出しにし、目がない異形の魔人も立っており
不気味な笑い声をだしている

「ヘイデン、彼はどうしますか
流石に闇堕ちでも、この現場を見られるのはまずいでしょう」

黒い短髪と白い肌
額に逆さの十字架を描き、黒い瞳をした少年
両耳には赤いピアスがつけられ
白いワイシャツと黒いネクタイとコートを着て
肩にはカラスをのせている

見た目から人ではないとすぐにわかる少年は
隣になっていた男の名を呼び、指示をまつ

目の下にクマをつけている中年の男は細身で
猫背になっているが目線をクライヴから話さず、黙っている

瞳は灰色であり、髪は黒く、少年と同じピアスを片耳に付け
黒く長いコートをなびかせている


「――――その魔力、魔族か」

クライヴは恐れることなく男と少年の正体について尋ね
その冷静さに二人は少し目を見開き、応えた


「いかにも。
我々は特殊な魔族でね
無暗に人を襲うことはないが、任務とあれば人や魔族、闇堕ちは殺す組織の者だ」

「・・・。」

「君はこの事を黙って見過ごすつもりはないか
この光景を見られ、外に言われるのはとても好ましくない。」
「もし拒否すれば、ここで死んでもらうことになりますけど?」
「ユーイン、すぐに脅すのはよくない」
「ヘイデンもさっき脅していたじゃないですか」


二人の魔族の会話中、クライヴのため息は路地裏の道ではなく
死体となっている魔族の元
ヘイデンとユーインの背後が聞こえた


「?!」


突然背後に移動していたクライヴに、二人は一気に振り向き
身構える

「いつの間に?!」
「オレモミエナカッタ」

ヘイデンと魔人は警戒し、剣を取ろうと構える


「武器を下ろせ
さもなくばお前達3人の死体もここに転がるぞ」









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