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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




「なに黙ってんのよ、ジェイク」

「いや、この二人は本当に仲がいいんだなってお思ってな」

ジェイクの背後から声をかけるアランに
ジェイクは振り向きながら答えた
ライセイとイリヤの会話が、とても信頼し合っている者同士のやり取りであった

「あの二人はきっとあたし達より長く生きてるせいもあるし
出会いも早かったんじゃない?」
「そうなのか?」
「ライセイに以前、インドリームの力の使い方について聞いたのだけど、彼は修業を重ねたって言っていたわ
そう聞くと、あたし達が出会った時より前にインドリームとして力を持っていて
イリヤとも出会ってたんじゃないかな」
「なるほどなー・・。」

アランとジェイクの静かな会話をしている中
前方のヒルト、ユリエフ、ジーナはディオン連邦共和国について話していた

特にジーナが王女であることについて
なぜ自由に護衛もなく出歩いているのか、不思議で仕方なかった



「私はね、あと一月もすればこの国から出て
隣国の妃として迎えられるの」
「!」

「だから、次期国王の兄様がせめてもの自由をくれたの
兄妹としてできる唯一のことだって言ってね」

「ジーナさん・・」
「貴方は、その自由の期間、ずっとこの酒場に通っていたのですか」

「酒場がいいというより、アレックスに会いに来てるの
彼の事、とても気になるの
叶わない結果でも、一時の夢は見ていたいわ」

「それは・・つまり」

ユリエフはジーナの言い方で気付いた
アレックスへ抱いている感情は恋なのだと。
自分の将来に待ち受けているのは
好きでもない男と異国に縛られるもの
そんな重い未来を10代半の少女が背負おうとしている


「だから、獣族の言葉もわかるし、アレックスの店に通っているみんなとは仲良くやっていけた」


ジーナは一番奥の部屋の扉の鍵を開けながら静かに話す

「もし、闘技場でこのまま出るなら
アレックスをお願い。」
「え?」
「肉体的には闇に堕ちないようになっているけど、心は別。
孤独でずっと閉じこもろうとして、戦いの中で身をゆだねているの。
アレックスが何を求めて闘技場にいるのか、私は一年一緒にいるけどわからない・・だからっ・・!」

「わかっている」

ジーナの言葉をとめるように、ヒルトは語った

「俺たちが闘技場に参加したのは、この国に危険な闇の脅威が迫っていると感じたから」

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