• テキストサイズ

IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国



「なるほど
ですが、そのような者達に恐れを抱いているようでは
インドリームは務まりません
私は己の正体を隠しているままでは、何も進めないと思っていますので。」


「そうか、君は決意が強いな。
だがこれだけは言っておこう
インドリームという存在を含め
獣族は人という種を嫌っている者が多い・・
己の一族が危機に瀕している時、インドリームは救ってくれなかったと思っているしね」

「アレックスさん、それはどういう意味なんだ?」



グラスを拭いていたアレックスの手は止まり
カウンターに手を置き、ヒルトの前に一冊の古い本を置いた

「ここに獣族の歴史が記録されている。
僕の口から話すより、これを直接読んだほうが早いだろう
泊っていくならこの宿をでる時に返してくれればいい」


「――――・・ありがとう。」

「あ、アレックス
彼等の部屋は私が案内してもいいかしら」

「勿論だジーナ
地下二階の部屋は全て空いているから
好きに使ってくれていい
使用した部屋の番号は名簿に記録しておいてくれよ」
「わかったわ」



ジーナはアレックスから鍵と名簿を渡され
カウンター机の隣の扉を開け、更に地下へインドリームを案内した



土と岩で掘られた地下道は冷たい風が流れるが
配管から放たれる光によって中は明るく
足場が危険になることもなかった

配管から放たれる光は蒼白く
かすかに小さな光の集合体であることがわかった

「この配管の中の光は何でできてるのぉ?」

イリヤの腑抜けた言い方に
ジーナは少し笑いながら答える

「その配管の中にいるのは閃光虫という虫の大群よ
幼虫の間は土色で地味なんだけど、成虫になると綺麗な光を放っているの。
その配管の中には彼らが溜める微生物を大量に入れているから、あと数年は光続けているわ。」

「うげっ・・虫なんだ」
「んだよ、イリヤ
お前虫が嫌いだったのか?」
「そうだよーライセイ
・・えいっ!」

イリヤはライセイの手を掴み、無理矢理
配管に触れさせる

「っうわあっ!」

配管に触れただけで驚くライセイにイリヤは笑いながらおなかを抑えている
「あっははは
なぁんだ、ライセイも虫が苦手なんじゃないー
しかも配管に触れただけなのにぃー」
「う、うるせぇぞイリヤ!」

必死に恥ずかしそうにするライセイ

その様子を後ろからみていたジェイクは黙っている
/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp