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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国




宿へ向かう中クライヴは住宅街の路地裏を見つめ
黙って立ち止まる

沢山の旅人の種族が入り混じる中でも
団体から外れて立ち止まる闇堕ちの姿は目にとまりやすい

「クライヴーどうかしたのか?」

先に進んでいたヒルトはクライヴへ声をかけ
様子を伺うが、クライヴ自身はヒルトへ一瞬だけ目線をむけ
すぐに路地裏を睨む

「・・・ヒルト
俺は別行動をとる
先に行っててくて」

「え?!
でも宿の場所はっーーーー」

ヒルトは呼び止めようとするが
クライヴは先に姿を消し
路地裏の闇の中へ向かっていく


「ったく〜・・」

「あの闇堕ちの人を探しますか?」
「いや、いいよ
後でなんとかするつもりなんだろう
先に俺たちは宿へ向かうよ」

再び街の中を歩き、少女はクスクス笑いながら
ヒルトと話す

「仲がいいのですね
人と団体行動をしている闇堕ちは珍しいわ」
「そうかな
きっと世界は広いから
俺達みたいな奴らは沢山いるとおもうよ」
「・・だといいね
私が知ってる闇堕ちは、少し堅っ苦しくて困っているの」

微かに寂しげに話す少女の声
それでも足取りは早く、目的の宿屋への到着はすぐだった


美しい街道から少し離れた裏道に繋がる場所は
エメラルドグリーンの広大な湖を中心に
険しい岩場が広がり岩場の穴や安定した土台には
木材で作られた簡素な家や
岩を削ることで人が住みやすいようにしていた


岩の頂上からは黒山羊族の少年や少女が歩き、飛び回り、危険な足場を楽しげに遊んでいる
空から舞い降りてくる青鳥族の子供も参加し
多種族が混じり合う光景は
先の街道とはまた別で自然なものであり
人間離れした異空間のようだった


「宿はここよ」

少女は地下に掘られた穴の中に入っていき
1つの木の扉の前で立ち止まる

「見た目は簡素だけど、中は立派だから安心してね」

少女の言う通りインドリーム全員が穴の中へ降り
開けられた扉の中へ入っていく





扉を開けた瞬間、男達の笑い声や
獣の臭いが微かに感じた


巨大なピッチャーで酒を飲んでいる牛人の男と
その隣で陽気な踊りをする孔雀の男
それぞれの種族の特徴である翼や角を生やし
どの族かわかるが、酒に酔っているせいか
何を語っているかは聞き取れない


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