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IN DREAM2

第9章 ディオン連邦共和王国





「――――なるほど、ここ6人はインドリームで
一人は闇堕ちか」

灰色の尖った獣の耳を頭から生やした狼族の兵士が呟き
後方で記録する鳥族は手元の複数の書類に目を通す

「確かインドリームが来る時は
不吉な予兆だときいているが、我が国で何かあるというのかな?」


鳥族の記録係の兵士がヒルトに目を合わせながら問う


インドリームは魔族や闇を倒すために旅をしている
そんな噂の塊でしかないイメージをもっている獣人達の発言から察するに
初めてインドリームを目にし、戸惑っているのは明確だった

実際、インドリームが旅をし、危険な魔族や闇の魔物を倒すのは
闇に汚染された生命に縛り付く呪縛を
夢の力で開放し、魂を浄化させることで
世界を元どおりにするための働きである

ただ魔族を倒し回る狩人などではない


「この国がどんな状態なのか、俺達はわからない
だから何か危険に晒されていないか、確認のために来たんだ
勿論危険な闇の魔物が現れても、国が潰れるような戦闘を
街の中ではしない。」

ヒルトのはっきりした言葉に兵士達は目を合わせ
1人の牛人の男兵士が紙の束を渡しに近づく

「確認しに来たのならこいつらをみて回れ」

束になった紙の中には多種族が武装した似顔絵や
一人一人の能力やエレメンツの詳細が記載され
内容に同一性はない

「それは我が国で開催される闘技場で戦っている者達のリストだ
力を持ち、戦いに酔い痴れてる」

「戦いに酔い痴れてる、か・・」

渡された兵士のリストを見ているヒルトは
1人の男のページで手が止まる

山羊の角を生やし、黒い髪と赤い瞳
犬歯は違ってあり、首には鎖をつけた似顔絵

種族は混合種
エレメンツは火
ランクはAとかかれているが
そのほかの詳細は全て不明である

「やっぱりインドリームになれば
そいつが一番危険だと判断するか」
「え?」

「そいつはアレックス、闇堕ちだがどこかの組織に所属してたせいかで
耳につけているピアス型の装置が闇を抑制し
再び魔族になることはない特殊な奴だ
今は闘技場で1番の実力者で、優勝間近だな」

「その組織というのは?」


ヒルトの問いに兵士は頭を傾げて応えようとしない
「悪いが俺達はわからない
だからこそ危険なんだよ
どこの出の者かもわからない奴が国で一番力を持ってやがる」
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