• テキストサイズ

IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




「うん、クライヴと闇の騎士が戦ったって言っていた人だ
俺はその人に会ったことがあるし、その人のおかげでここまえ成長出来た」

「なら、やはり魔力を流し込んで内側相手を倒すあの技は・・」

「あれは俺が生み出した技だよ
それは嘘じゃない。
・・他人の記憶と、恩人からのアドバイスを参考にしてな」


「そうか・・・。
だったら聞いてもいいか、ヒルト
お前がインドリームになり、抱いている夢の本当の内容を。」


ヒルトは右手を夜空に伸ばし、風を包ませ
確固たる意志を持って答える


「俺を想い、必要としている人たちに応えたい
仲間を守り、ただ争いのない世界になってほしい。
そして、俺自身が何者なのか確かめたい
それが俺の夢だ・・!」

「・・いい夢だ
お前からは確かな覇気が感じられる」

「ありがとう」

「では俺はヒルトの夢がかなえられるよう、全力で力になろう
お前が俺にしてくれたように、お前が闇に堕ちそうになった時、俺が引きずり出してやる」

「クライヴ・・――――」

クライヴは自ら手を差し出し、心強い眼差しで話した

「共に歩もう、ヒルト」

クライヴの言葉に、ヒルトは心の底からこみ上げる歓喜の感情を必死で抑え
笑顔で力強く手を握り返した

「勿論だ、クライヴ!」

握られたその手は二人の絆を現す程固く握られていた

友を守る為の力
世界を守る為に力
己を見極めるための力
真実を見つけ出す為の力

ヒルトが抱いていた夢の大半はクライヴも抱いていた感情だった


この瞬間から、世界は変わり始めていた――――――

光と夢の使者と呼ばれたインドリームと
闇の住人と呼ばれている闇堕ちが手を取り合い
世界を旅することは異例であり
誰も実現できていなかった

闇の神が復活し、世界の理から外れた者達が存在する中
それでも夢を諦めず、立ち向かう者達

途絶えることのない負の連鎖に屈することもなく
歴然とした姿勢をみせるそれはまさしく
人々の希望の象徴である
闇堕ちの身でありながら、影でインドリームを支えるクライヴの姿は
瞬く間に世界中に広がり、闇堕ちや半魔の全員が迫害されることは少なくなった

いつしかクライヴの事を闇堕ちではなく、闇の勇者と呼ぶ者が増え、人と闇堕ち、半魔が共住する町も増えていく

インドリームが次に降り立つ場所は
そんな共住が認められたとある国であった

/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp