第8章 監獄と闇の騎士
「・・この光の階段は俺が上れるが、お前達が触れると危険だな」
「・・・。」
光輝く階段かな放たれる魔力は
闇の騎士にとって生命力そのものを削られる程相反しないものであり、肉体をもっていないゆえに核となる魂へ直接影響がでる
「俺の中に戻れ。」
「ですがクライヴ様
我々が戻った瞬間に、あの天族共が襲ってくる可能性もあります」
「サルナス」
呼び止めたのは他でもない、ミレイアだった
「クライヴはもう、昔とは違って強くなったのよ
あの天族がクライヴを襲ってきても、傷を負うことはないわ。
それに、私達守護霊はクライヴを最善の結果へ導く役目もある
今、ここで彼の命令に意を唱えてまで警戒することは、得策とは思えない」
ミレイアの適格な指導にサルナスは口を紡ぎ、頭をさげた
「・・すまないな、ミレイア、サルナス」
「いえ、愚かな騎士の発言をお許しください」
クライヴはサルナスの謝罪に対して言葉で許すことをせず、手を振り「気にするな」と伝えた
そして階段を上っていくクライヴを見届け、闇の騎士とミレイアは姿を消し、クライヴの中に戻っていった
四つの黒い魂は浮かび、クライヴの中へ入ったの同時に
飛行船に足を踏み入れた
満足そうにクライヴをみているユリエフとヒルト
そしてキャリーはこの飛行船の仕組みについて説明をはじめた
全ては天族の技術でつくられているため、操縦はユリエフが行い、導くのはヒルトが持つ石になる
石は強い闇の魔力に反応し、インドリームが必要とされている場所へ光を指し、導く
普段は鳥や敵に察知できないほど魔力や飛行船そのものの姿を消して飛び、移動する
限りなく透明に近い能力を保有しているが、ユリエフに異変が起きた場合は飛行船の能力も低下し、最悪墜落も在りうる
キャリーは飛行船をインドリームに与えることで
恩を売る事と同時に、ユリエフを守るようより一層意識をむけさせた
ユリエフがどれほど強くなり、一人でやっていけると唱えようとも
世界に7人しか存在しない貴重な聖人であり、インドリームとして旅を続ける以上
危険が常につきまとう
何かあってからでは遅い
ならば先手を打つのが良い
天族らしい考え方に、クライヴとヒルトは気付き、目を合わせ、クライヴは目をつむり、ヒルトは少しため息をついていた
「キャリーさん、本当にありがとうございます」