第8章 監獄と闇の騎士
クライヴの口から語られる事は全て真実であった
闇の神が創り出した事と監獄で起きた事実以外
天族が記録に残している通りの出来事であり
クライヴは暗黒戦争までの記憶を完全に取り戻した事を悟るキャリー
そして監獄ではヒルトの提案により
鬼神を内側から潰すことに成功し、特殊な技をもっていることを知るインドリーム達と天族
クライヴの説明の後、ヒルトは闇の騎士がどれほどクライヴに助力し、彼等の力あってここまで戻ることができたことも話す
天族にとっては敵討ちの対象の闇の騎士
幾戦も中で刃を交わし、その都度多くの仲間を失った天族
キャリーの命令がなければすぐさま武器を取り、闇の騎士とクライヴへ襲っていただろう
確実な敵意を向けられてもなお、闇の騎士含めるミレイアは平然とし、目を合わせようとはしなかった
全てを話し終えたヒルト、クライヴにまっさきに返した言葉は天族とはおもえない発言だった
「すばらしいですわ、インドリームの能力と風の性質を兼ね合わせた技と、闇を抑制し、騎士を再び従えたクライヴ・ベネディクト。
そして鬼神を一片残さず灰にしたユリエフ様の働きに、私は感激です」
闇の騎士を従え戻ってきたクライヴを警戒することなく
称賛するキャリーに、天族はざわつきだす
嘘をつくことができない天族にとって
キャリーの発言は本心からだろう
もし心に拒絶的な何かを抱いていれば、このようなことは話せない
「・・・俺やサルナス達を警戒しているなら、そう言えばいいぞ、キャリー
本当は俺が力を増して戻ってきたことは予想せず
ヒルトとユリエフが傷ついた俺を抱えて来るとしか
考えていなかっただろう」
クライヴの問いに、キャリー含める天族は沈黙する
そして、すぐにキャリーは笑顔で言い返した
「よく、おわかりで。」
「?!」
張り詰めた空気が漂う
クライヴとキャリーの会話に、インドリームである者は口を挟むことができず
天族は今すぐにでも武器を取り出せるよう構えている
対して闇の騎士は瞳を赤く光らせ、威嚇し、一瞬でも天族が動き出せば瞬殺できるよう武器をとっている
だが、クライヴとキャリーは一切攻撃をしかけるよう合図をしない
合図がなければ勝手な行動ができない天族と闇の騎士
そして二人の会話は続いていく