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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士



「けど今は水族としての本当の姿じゃないだろ
人の姿に似せてる以上、人に近い体になる。
いいから、俺の分も使っとけ」

手にかけていた毛布をアランに被せ、隣に座るジェイク

二枚にわたる毛布を被りながら
アランは黙っていた

「ーーーアラン、俺の傷を治すのに天族と協力したってきいたぞ
ありがとうな」

「あたしはただ、あたしができる事をしただけよ
そんな礼を言われるようなことはしてないわ」
「仲間に助けられれば礼くらい言うのは当然だろ?」

「そう・・ね。
だったらあたしも礼を言うわ
あの時、敵の攻撃から守ってくれて助かったわ」

アランの言葉にジェイクはヴァンとの戦いを思い出す

「その場しのぎの戦い方しかできなかったけどな
正直、あんなデタラメな奴とどうやって戦えばいいのか
俺はわからない。
炎の中でも平然と立っていたあの義足の男は特にな」

「何か特殊な術で守られていたか、あの男は人間種ではなく
炎に耐性がある種族か、ね。
どのみち、今のあたし達はもっと強くなる必要があるわね」
「強く、かー。」

強さを求める目をしたアランを見ているジェイクは
話をすり替えるように別の話題を持ち出す

「そういえばここでヒルト達の帰りをずっと待ってるつもりなのか?」
「それ以外何があるの。
あいつは、あたし達の分までクライヴを助けにいってくれてるのよ
それを寝て待ってるなんてできるわけないでしょ」

「本当に大丈夫なのか心配だけどな」
「はぁ?
大丈夫に決まってるでしょ
だってあいつは」

アランは話している中
ピリッとした張り詰めた空気を感じとり、意識を目の前の何もない空間へうつす

「この魔力・・」

静電気から電撃、稲妻へ変わっていく魔力
無理矢理空間が切り裂かれ、渦潮のような渦が見える無の空間と亀裂が生じる現象

「ゲートが開かれたんだわ!」

着ていた毛布が落ちる程勢いよく立ち上がり
アランは喜びに満ちた表情をする

「ジェイク!
ライセイとイリヤの所に行って知らせてくるわ!」

「え、おい!?
何を知らせるんだ!?」
「ヒルト達が帰ってきた事を知らせにいくのよ!」

遺跡の奥へ走り去り、姿を消したアラン

切り裂かれた空間のゲートから姿を現したのは
アランが待っていた三人の姿であり、全員が清々しい表情で
負傷を負っていた一人は傷が完治していた

「よ、お帰り!」
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