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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




ヒルトは再び足を動かし、先へ進んでいく

クライヴの後ろで会話を聞いていたが
一切口を挟まなかったユリエフは
心の中では抑えておけず、つい口から溢れるように話した


「ヒルト君は、きっと重いものを背負ってらっしゃるのですね」

「あぁ。
あいつが無理につくる笑顔があんなにも不気味だとは思わなかった」

「不気味・・とは思いませんが、過去の事はあまり話してくれませんし
私達が今踏み込む事ではないのでしょう」

自然にクライヴの言葉に同意はせず、思った事を話すユリエフ

「ですが、いつか私達が彼を守る為には過去を知る必要があるというなら、私は進んで知る為に動きます
それがどんな内容であってでもです」

「・・・そうだな
お前達には大きなかりがある分、俺と全力で応えよう」

「ええ、ありがとうございます」



一人先に歩いて進んでいることがわかったヒルトは振り返り
クライヴとユリエフを呼びながら戻って近づいてくる


「二人とも何話してるんだ?」

「いえ、なんでもありませんよ」
「お前が気にするようなことは話していない」

「?
とりあえず、先に進もう!
みんなが待ってる」


ヒルトは現実世界で待っている仲間達との合流を目指し
ゲートの出口へ続く道へ歩き出す

後について歩くクライヴとユリエフは確かな信頼を抱いた足取りであり
そのままゲートの出口へ進み、異空間の狭間を抜けた







ーーーーーーーーーー






ゲートが開く時、巨大な魔力の渦が空間に出現し
突然嵐が起きたような稲妻と風が吹き出す

光でも闇でもない異様な空気は独特のものであり
どんな種族でもゲートが開く瞬間はその場へ目を向けるほど
注意を引くものだ



敵から受けた傷を天族と共に癒し、休息をとっていたアランは
誰よりも仲間の帰還を待っていた


監獄では時間の概念がなく、全ての出来事が一瞬であるが
現実世界では3日経っていた


「はぁー・・」


真夜中の遺跡は温度が下がり、天族から支給された簡易的な毛布を被り、アランはヒルトと別れた場所で座りながら手をさすり、体を温めている


「風邪ひくぞ?」
「!」

アランへ声をかけ、遺跡の奥から姿を現したのは
傷が完治し、体力も回復したジェイクだった

「水族は風邪ひかないわ
海の中の温度に比べれば、ここは暖かいわ」


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