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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




「あと、もう少しだけ時間をくれないか」
「?」
「闇の騎士達か?」

クライヴが言いたいことをすべて悟っているヒルト

少し笑いながら、クライヴは否定せず頷き
そのまま森の奥へ進み、闇の騎士の魔力を感じる方へ足を進めた


「用が済めばここに来いよ、クライヴ
いつでも戻れるように準備しておくから!」

ヒルトは遠ざかるクライヴに天族のキャリーから授けられたネックレスを見せながら話した

手を軽くふり、了解した、という合図だけ残し
クライヴは森の中へ姿を消した




森をすぐに抜けることができ
行きついた先は監獄の世界を一望できる崖の頂上だった

見渡す限りは森だったが、中には廃墟となった城や塔
街や遺跡も確認できた
人の姿はなく、活気すらも感じはしないが
確かに鬼神の呪いから解かれ、クライヴが統括することで鮮やかな空気になっていた

そんな風景を背後に、闇の騎士は膝まずき、頭をさげた状態で目も閉じ、クライヴを迎えていた


「お待ちしておりました、我が主、クライヴ・ベネディクト様
そして、監獄を統べるお方よ。」


サルナス、ラルゼ、アークは声を合わせ
一寸たりともずれることなく話した

完全なる忠義と信頼に足る実力を兼ね備えている闇の騎士に
クライヴは感謝しきれなかった


「頭を上げろ」

それでも、主人として慕っていることから
期待通りの振る舞いはしなければならないと感じていた

「・・・まずは俺の力不足でお前達に迷惑をかけたことを
詫びさせてくれ」
「!」
「そして、アーク。
お前には特にひどい目にあわせてしまったな・・」

「何を仰いますかクライヴ様!
私の魔力などでよければいつでもお渡しいたします
それに、あの瞬間私は貴方様に偽りを吐きました・・・
罪深き魔術師に相応の罰をお与えください。」

「―――――・・・。
アーク、お前には罰など与えるつもりはない。」
「なんとっ・・?!」
「そして俺は監獄を俺の固有結界として今後使用し
この世界は全て吸収される。
そうなればここにいるお前達も、自然に俺の闇に溶け
人格は消えていくだろう」

「・・・・。」

「だが、俺はお前達を消したくはない。」
「!」
「我が主よ・・つまり・・」

クライヴの提案にサルナスは先に気付いた

そしてクライヴは躊躇なくその答えを単刀直入に伝える


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