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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




「行かせません」

光の巨大な弓を構え、太陽のように輝く光を凝縮した先からは
近づけば消滅することがわかるほどのインドリームの浄化の力を感じた

白くなびかせる長髪と整った顔立ちの女性は
鬼神に向ける表情は忌み嫌うものであった


『天族・・光のインドリームっ・・・』

鬼神はクライヴを追う事ができず、その場で立ち尽くし
己の最後を悟り、抵抗なく矢を向ける存在を確認した


「――――消えなさい、悪しき鬼よ」




ユリエフは弓を放ち、鬼神の脳を貫き巨大な爆発を起こした

闇で覆われていた水は瞬時に浄化され
渦を巻いて水の流れは激しさを増していく



鬼神の魔力がユリエフの力とヒルトの活躍によって完全に途絶え
クライヴは肉体に魔力と意識を戻していく


激流の水の中、鬼神はクライヴが去っていく瞬間を確かに見た



消えゆく意識の中、水の中に平然と立っている女性を見つける

『?!』



その女性は黄金の髪とワインレッドの瞳をした堕天使だった

「あら、結構あなたには期待してたんだけどね」

鼻で笑いながら言う内容ではない

心にもないこと平然と口にする堕天使は、ニヤ面を隠せないほど笑い、鬼神をみていた


『オマエ・・は?
堕天使がなぜここに・・・?』

「闇の神が作った鬼の末路を見届けにきたんじゃない。
貴方はまだマシな個体と聞いてたけど、これじゃあガッカリね」
『なんだと?!』

「所詮はまがい物・・クライヴ君には敵わないようね」
『っ・・堕天使風情が・・オレッちの事を見透かしたように語るな!』

「―――生体番号β10054号」
『?!』

「これが貴方の本名よね、実験体さん?
鬼神、阿須羅という名も何千という実験体の中でも優秀な個体だけに与えられるものだけど
もう必要ないわよね」

堕天使の話に、鬼神はイラつきを覚えながら確認せざるをえなかった
例えこれから消滅する身だとしても
己の正体をしる女は何者なのか――――
闇の神とどういう関係なのか―――――


『お前は何者だ?!
なぜ闇の神しか知らぬ俺っちの正体・・知っている?!』


鬼神の問いに、堕天使不気味な笑みを浮かべながら答えた

「馬鹿ねぇ、小鬼の実験体さん
貴方を造り出す実験の技術は私が提供したものよ
そして、闇の神とは昔からの古い付き合いなの」

『・・・あ・・まさか・・お前・・』
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