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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




己の力のみでしか切り出せない状況で
鬼神からの力には逃げ切れないはずだった

それでも諦めようとはしなかった


夢と、友のために、手を伸ばし続ける



呪縛は全身に回りつつあり、クライヴの手も、目も黒く染まっていく


内側から高らかに笑う鬼神の声が響く



左目は黒く染まり、残り右目と伸ばす手先までしか
クライヴの魔力は残っていない


鬼神に完全に敗北する――――――

そう、誰もが感じた瞬間だろう




だが、クライヴの手はすでに握られていた


「つかまえたぞ!」

「?!」



目を疑う光景

そこには黒く染りかけていた手を握る銀色のプレートを装着した少年の聞き覚えのある声と
希望と光に満ちた魔力

少年が握った瞬間、クライヴを浸食する鬼神の力は弱まり
更に白い手袋をした女性が握りしめてくる


『まさか・・貴様等ぁぁぁぁ!
またしても・・オレッチの邪魔をスルカアァァァァァァっ!!』

鬼神は何者がクライヴを守ろうと侵入してきたのか
すぐに理解し、激怒する

そしてクライヴ自身も、疑うが確かにその手が何者のものか
すぐに判断がついた



暴走しかけの闇の中に直接生身で入り込み、仲間を助けようとする存在は、一人しかいなかった


「ヒルト・・・」

銀色のプレートを装着した少年の手から
はっきりとその素顔が見えてきた

少年は名を呼ばれたことで余裕の笑みを浮かべ
腹から声を出すように空間全体に響きわたる声をだした


「歯食いしばれよ、クライヴッ!
引きづり出すぞーーーーーーーーーーっ!!!!」


ヒルトの声と同時に風が吹き荒れ、周囲の闇を除き去っていく
鬼神の魔力はインドリームの力によってこれ以上強く発揮することができず
ヒルトの風と共にクライヴの中から取り除かれる感覚がした

実際クライヴを浸食していた鬼神の呪いは引いていき
黒く染まった体を元に戻っていく


『いや・・チガウ・・おれっちをクライヴから・・完全にヒキハナシテいる?!』


クライヴから鬼神の魔力だけが取り除かれてゆき
完全にクライヴと鬼神は分離させられ
魔力の塊となって水の中に浮かぶ鬼神


目の前にはクライヴだけは風に守られ、水面に上がっていく

『貴様をっ・・いかせるカッ!』

再びクライブを狙い、急速に迫る鬼神

だが、クライヴの背後から輝く光の矢を視界にとらえた
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