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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




「キシッ」

ニヤリと笑う鬼神は確実な勝利を感じた
刀を振り下ろせばクライヴを確実に殺すことができる
その喜びが既に隠さずにはいる


「蝶よ、喰い殺せ」

「?!」


クライヴの背中からは鬼神を丸呑みできるほどの
赤い蝶が出現し、尖った牙をもつ口を開け
降りかざされる刀と鬼神の体を噛み砕く


「っ?!」


刀と骨と恥肉を噛み砕く蝶
本当の肉体を持ってしての戦いであれば、鬼神は激痛に襲われるだろう

刀をもっていた両腕は肩から食い千切られ
血の代わりに大量の魔力が流れ出る


よろめきながらクライヴから離れようとするが
止めをさすためにクライヴは大鎌を流すように払う

「まだだ」


「ぎっ」


鬼神の声は悲鳴混じりのものを口にだすが
首を切り落とされた事によって最後まで叫ぶ事なく終わる


まるで本物の頭が落ちたように頭部は音を立てて落ちた


切断された胴体からは魔力が大量に放出され、闇の中に消えて無くなっていく


残る頭部は確実に死体となり、長い舌を出しながら動くことはない


「・・終わったか・・」


クライヴは大鎌を治め、鬼神を倒したことで深く深呼吸し
一息つく

周辺をただよう闇は鬼神が倒れたことで消滅してゆき
次第に元の風景へ戻り、湖が見えてくる
まるで霧が晴れていくように、ゆっくりと視界がよくなっていく


クライヴは湖の中へ手をかざし、現実世界へ戻るために魔方陣を展開し、着実に準備をしていく


「・・そろそろ戻るとしようか・・。」


魔法陣は光を放ち、現実世界と監獄を結ぼうとしている
かすかに見える現実世界

森の薄暗い風景が見えてくる中、湖は別のものも映していた


背後から、血まみれの鬼神の首だけが
大きく口を開けてクライヴを襲い掛かってきている瞬間を―――――



「?!!」


目を見開き、とっさにクライヴはふりむく

だが、その瞬間、鬼神の牙はクライヴの動脈へ噛みつき
大量にそのまま勢いよく湖の中へちていくクライヴ

「くっ!
まだ・・生きているのか?!」

湖の中へ溺れながら落ちていく

その先には現実世界が繋がり、意識は肉体へ戻ろうとしていいた

「ぎざま・・だけは・・のろい・・ごろじでやるっ・・・!」
「っ・・ふざけるなっ!」

クライヴの首元に噛みつきながら呪う鬼神

クライヴの体にわずかな痛みが広がっていく
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