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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




目前に迫る棘を寸前で避け、致命傷は回避できたが
肩に鬼神の刃が貫通し、更に魔力が削られていくクライヴ

「クソッ・・!」

傷口を抑え、力を振り起し立ち上がる

周囲を見回すが、鬼神の実態は掴めず
闇の空間が狭くなっていき、次第にミレイアとクライヴは背中合わせにならなければならなくなる

傷口を見ていたミレイアは
一つの手段を思いつく

「クライヴ、傷口をみせて」

左肩に負った生々しい傷に手を当て
ミレイアは己の魔力をクライヴへ注ぎ、傷口を修復していく


「!
ミレイア・・それをすればあんたはっ!」

「そうね、現実世界で私はすぐに守護霊として活動できず
暫くは貴方の中で眠りに着くことでしょう
それでも・・鬼神を倒すことが第一優先であり、そのためには貴方を守り、この空間を打ち破る力が必要だわ」

「っ・・・」


クライヴの中へ魔力を注いでいくことで傷は完治するが
ミレイアの体は避けて消えかけていた

「大丈夫よ、クライヴ
貴方が強い意志を示せばここから抜け出し
鬼神を倒すことができるわ。
外の世界で貴方を待っている友達の事も、忘れちゃだめよ」


クライヴの頭を撫でるように触れ
ミレイアは完全に姿を消していった


「ーーーー」

ミレイアが触れていたことで温もりが感じた気がした

実際の体温の温もりではない

信頼される温かさ、支えてくれる心強さといった
クライヴだけの力では身につかないものを
確かに心に響いた瞬間である


ミレイアの託した思いを胸に秘め、外で待つ友へ帰るため
クライヴは全魔力を放出し、鬼神の魔力と正面から衝突することを選ぶ

爆発ような現象が空間に連続で起こり
その都度闇が晴れていく


「俺っちと正面からやり合うつもりになったか・・
キシシシッ・・」

不気味に笑い声を混ぜながら
鬼神は満足そうに応えた


「今度こそ潰してやるよ!
クライヴ・ベネディクトォォォォォッ!!!」

「やってみろ、鬼神」



闇の刀が無数に放たれ、足元からは棘が出現し隙なくクライヴを襲う
対してクライヴは電撃や爆発によって全ての攻撃を相殺していく

お互い一歩も引くことがない状況の中
鬼神は暗闇の中から姿を現し、長身の刀を構え
クライヴの死角から奇襲を仕掛けるため、飛び出した

背後から迫る刀はクライヴを一刀両断できる勢いだった


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