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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




崩れていく鬼神の精神世界の中で
闇に溶けきった鬼神の声だけがクライヴに聞こえていた


「ははははははっ!
闇を全て受け止めるらしいじゃねぇの、クライヴ・ベネディクト!」

湖が映し出されていた風景は砂嵐のように
闇に巻き込まれながら儚く消え、漆黒の世界と足元には
数多な死体が並び、目線をクライヴに向けている

「くっ!」

足場が悪い環境でクライヴはミレイアを守りながら
鬼神からの攻撃に備えようと、大鎌を構える

守護霊となったミレイアでも、鬼神の精神世界にいる今の状況では無力に等しく
鬼神に攻撃されれば、文字通りダメージを受ける
現実世界では霊体として活動でき、物理攻撃はほぼ効かないが
精神世界でのペナルティは多くある

それでも守られる側ではなく
守る側になった己の存在意義を確認するように
目覚めた守護霊としての力を発揮し、クライヴの周りに蝶の防御壁を生み出す


「うっとおしぃ女だな!」

鬼神は漆黒の蛇のような触手を無数に放ち
ミレイアの死角から襲う

「させるか」
「⁈」

クライヴは先にミレイアの前に立ち、大鎌で切り裂きながら
闇で染め上げた水を作り出し、触手を閉じ込めていく


そのまま空かさずクライヴの電撃が周囲を襲い
鬼神の苦しむ声が空間全てに響く

「っ・・うっとおしぃ・・うっとおしぃんだよてめぇら二人とも!
俺っちの奴隷を・・オモチャを・・世界を奪っていくんじゃねぇ!」


暴走していく鬼神の闇は激しさを増し、棘のように形を変形させ
クライヴを襲っていく


「おれっちは闇の神に認められた鬼神!
貴様みたいな出来損ないじゃねぇ!」

「・・・ーーーー。」

「全てを喰らう鬼の頂点に立つ俺っちに・・
唯一与えられた世界は・・貴様が奪っていいものじゃねぇ!」


狂いながら暴走し、叫ぶように話す鬼神

感情と共に攻撃も増し、クライヴの足や肩に僅かな傷をつけていく

「っ!」

「もっとだ!
もっとお前の魔力を削り、お前自身を闇で崩していってやるよ!」


次々と襲いかかる漆黒の棘と刃
クライヴの傷からは血ではなく
魔力が漏れ出し、鬼神の勢いは強くなる

劣勢になるクライヴ

足の力を無くし、その場で膝から崩れていく
そして鬼神の攻撃は止むことなく
クライヴは咄嗟に闇の盾を作り防御態勢になるが
その盾は脆く、瞬時に砕け散ってしまう



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