第8章 監獄と闇の騎士
「っ?!」
目を覚ますヒルトはユリエフの結界が解かれ、元に肉体へ意識が戻っていた
「ヒルト・クローズ!」
「!」
駆けつけてきたのは闇の騎士だった
「何があった?!
鬼の動きが止まり、お前と天族だけが意識を戻したが・・我が主は?!」
サルナスの焦った表情に、ヒルトは何がおきたか思い出し
意識がはっきりと戻る
クライヴの体は倒れたままであり、近くでユリエフが目を覚まし、ヒルトを見ながら悟っていた
「クライヴは・・まだ鬼神の中に・・」
「なに?!」
ヒルトの襟元を掴み、怒鳴りながら問いただすサルナス
「なぜ主だけが鬼神の中なのだ!?
少しでも意識が鬼神に飲み込まれれば、二度とこちら側の世界へ戻ってこれなくなる・・それを知って何故っ・・!」
「サルナス、やめなさい」
「そうです、事情をききましょう」
ラルザとアークが制し、サルナスは舌打ちをながらヒルトを離した
「――――クライヴは鬼神の奥に眠るミレイアさんを救うことができ、監獄全てを吸収しようとしたんだ
けど、鬼神が拒絶反応を起こし、暴走した・・
ユリエフの力で俺達は外の世界へ吐き出され、今にいたる・・。」
暗い表情で話すヒルト
その内容に、有無を言えず、沈黙する闇の騎士
そして、その瞬間
倒れていたミレイアの肉体から鬼神の闇が吹き出し、ヒルトや闇の騎士を襲うが、周囲の木々や水が闇を抑えようと動き出す
それはまるで誰かが操っているかのように
器用に動き、技を繰り広げる
その様子にヒルトは鬼神の中でまだクライヴが戦っている事を確信し、ある打開策を思いつく
「ユリエフ、闇の騎士の皆さん・・俺に力をかしてくれ!」
「どうしたのですか、ヒルト君?」
「クライヴを・・鬼神の闇から助けだす!」